がん患者の父

娘が膵臓がんになった。まさかまさか、痛恨の極みです。

脱毛➡ウイッグ

抗がん剤治療が始まると、ニ、三週間すると、脱毛が出始めると聞いていましたが、娘にも、その兆候が現れた。


私の頭なんか五十代後半から市販の育毛剤に頼って苦闘?しましたが、劣勢は覆い隠せず、いまや額と頭の境界線は後退しっぱなし。ふだんは野球帽やイスラム帽をかぶっていますけれど、、、。


女性は髪の毛について独特の愛着なり、こだわりがあるので、脱毛というのは、深い悲しみに沈む、つらい現実にちがいない。


女性の黒髪について思いや黒髪にたくす情念みたいものは、平安時代からの古歌や小倉百人一首にも歌われります。『みだれ髪』の与謝野晶子の歌は、こうです。


くろ髪の 千すぢの髪の みだれ髪 おもひ乱れ かつおもひ乱るる


頭をさわると、ばっさと抜けると聞くと、かわいそう。抗がん剤の副作用とはいえ、そのような作用が起きること自体、薬剤が頭から足先まで駆け巡っている証だと信じるほかない。できるだけ前向きにとらえようとしても、悲哀な気分は救われない。


もうウイッグがないと心落ち着かない。家内と姉が、あらかじめ調べたパンフレットや医療用ウイッグを扱う店の知識を仕入れて、娘のところへ行った。娘の方もネットで近くの場所を探していて、そこへ三人で行き、あれこれ選んで購入したという。


なんでも長めの髪のウイッグが多く、患者の好みあわせてカットしてくれて、なんどか試着?を繰り返す。直に髪の毛が頭皮にあたるのではなくて、網目状のキャップをかぶり、そのうえからウイッグを装着すると聞いた。だから、少々の風の勢いなどでも外れることはないそうだ。なるほど、そういう仕掛けか。


キャップは洗濯が効くし、ウイッグもメインテナンスを適宜してくれるそうだ。医療センターにある美容院は、手慣れてもので患者の心情を理解していて、優しく、親切に対応してくれて、よかったと家内の弁。


学校から帰った息子が、母親をみて、いきなり「かつらしたん?」と聞いたので、びっくりしたとも。やはり、息子は母親の変調を気にかけているのだ。