退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

新年雑感

 その一、寅年。我らの阪神タイガースは、奮起するかどうか。


 大のファンとして、こんなことを口走るのは、残念至極ににたえませんが、やはりムリかもしれない。球団は、抑えの神様スアレスと長距離打者サンズを手放しました。4年連続、セ・パ通じて失策数ワースト一の責任を取らない守備コーチ陣を温存しました。これでは優勝は難しい。


 過去60年間の寅年は、5回です。1962年(昭和37年)は優勝、1974年4位、1986年3位、1998年6位、2010年2位といった実績。昭和37年と言えば、ぼくが大学を出た年、あのマリリン・モンローが亡くなった年です。いやいや、キューバをめぐり米ソ核戦争の危機があった年、ああ、はるか昔のことじゃないですか。


 セ・リーグで優勝回数が断トツなのは巨人の38回、ついで広島と中日が9回、ヤクルト7回、我らのタイガースはたった5回です。後に続くのは2回の横浜だけ。情けなくも、わびしい。応援しがいのない老舗球団です。しかしながら、タイガースファンというのは、このダメ虎をこよなく愛する自虐的ファンの集まりなのです。


その二、暮れに読んだ瀬戸内寂聴さんの古い対談集から思うこと。


 寂聴さんはショーケンこと歌手・俳優、萩原健一に「恋をしなさい。50には50の恋、60には60の恋があるのよ」とけしかけています。ショーケンは、生涯4度結婚している猛者なのに。


 寂聴さんは、イケメン好き。光るものがあるが、どこか、ひ弱で頼りない感じの”ダメンズ”が好み。自身も、はちゃめちゃな男関係を清算するのが、51才で出家した理由の一つと言っているくらい。晩年、恋心をよせたのは、細川護熙さん(元首相)。細川さんは、あまたいる文壇関係者を差し置いて、寂聴さん葬儀の弔辞を読んでいました。生前から頼まれていたのでしょう。


「90には90の恋、100には100の恋があるのよ」と長生きして書いてほしかった。”バイバイ”も言えない娘を見捨てて夫の教え子と駆け落ちした、世にもまれな文化勲章作家ですね。


その三、夏に参院選があります。最大のポイントは、改憲阻止の壁を維持することです。


 自公維の改憲勢力が、三分の二(164議席)を占めるか、野党が阻止できるかどうかです。この参院選のあと、衆院に突発的解散がなければ、向こう三年間は、国政選挙がありませんので、護憲派が勝てば、改憲論議は前に進みません。政府には、ほかにやることがいっぱいあります。


 自公維はすでに衆院では三分の二を確保していますので、両院がそろえば、いよいよ改憲発議が可能、可決できる態勢が整い、次いで国民投票へ進みます。戦後、一人の戦死者も出してこなかった国が、再び戦前のように軍を復活し、他国と交戦することを法的に確保するのは必至です。


 自衛隊は国防軍となり、有事の際、米軍の指揮下に組み込まれる韓国軍のように、米軍の傭兵になるでしょう。これは妄想ではありません。自衛隊はすでに米軍と暗号や装備まで一体活動をしています。


 改憲勢力は、新たな戦死者が生まれ、それが特別でもなんでもない、フツーの常態化することを願っています。アへ一派や自民党の国防部会、最支持団体の「日本会議」は基本的人権、人権、自由と平和とうるさく言うヤツより、命を投げ出す国民を作り出したいのです。軍事力こそ国力、世界の強国の仲間入りという時代錯誤の妄想にとらわれています。


 憲法9条は、戦後日本の強力な防波堤でした。今これを壊す必要はぜんぜんありません。

×

非ログインユーザーとして返信する