退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

ワクチン非接種者の弁

 ぼくは、新型コロナワクチンを一度も接種していません。前にも書いたことがありますが、動脈閉塞の既往症がありますので、自己診断で敬遠しています。


 いま二回目接種者は、76%。三回目は、0・8%にすぎません。オミクロン株が猛威を振るっていますので、まだ接種していない者への風当たりが強くなってきていますが、ほんとうに感染拡大は、非接種者のせいなのか。欧米の動向に後手後手の政府の無策のせいじゃないのかな。


 世界トップクラスの男子テニス選手、ジョコビッチ(セルビア)が、ワクチン接種をしていないことを理由にオーストラリア政府に入国を拒否されて事案は、一転して裁判所が「合理的な理由がない」として取り消しました。移民相は、まだ見直す余地があると悔しがっているそうな。


 豪州のワクチン接種に関する通り決めを知りませんが、非接種者を差別しない裁判所の判断は正しいと思います。日本の場合、厚労省のホームページでは、こう言っています。
 

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A

(https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0053.html)

一,新型コロナワクチンの接種を望まない場合、受けなくてもよいですか。


一,新型コロナワクチンは、発症予防効果などワクチン接種のメリットが、副反応などのデメリットよりも大きいことを確認して、皆さまに接種をお勧めしています。しかしながら、接種は強制ではなく、あくまでご本人の意思に基づき接種を受けていただくものです。


 自由意思を尊重しています。しかしながら、感染が広がるようになると、御存じのように、同調圧力を強めて、非接種者に冷たい視線を投げかけはじめ、「他人に感染させるから打て」というような中傷や暴言を浴びせるバカが輩出しました。企業内でも接種を義務付け、非接種者に解雇や配置転換、休職などを示唆する例があると日弁連は指摘しています。


 厚労省は、こういう事態を想定していたようです。こう言っています。

 職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないよう、皆さまにお願いしています。仮にお勤めの会社等で接種を求められても、ご本人が望まない場合には、接種しないことを選択することができます。

 もしもの場合の「人権相談窓口」まで紹介しています。最近は、逆に接種者を優遇するビジネスが出てきました。あるスーパーは接種者には5%引、ある飲食店ではビール一杯無料とか、ワンドリンク・サービスをする一方、非接種者の入店を断るところも現れています。


 旅行ツアーでも{接種者限定}というのが、普通になっています。いずれも接種済証(ワクチンパスポート)の提示を求めています。優遇することで、逆に非接種者への差別に加担していることに気がつかないのだろうか。


 優遇も冷遇もあってはならないはずです。納税を脱税しているというような例とは、わけが違います。ぼくは、人の集まりのある所に行きますが、成り行きでワクチンの話題が出ても、自ら非接種者であることを口に出しません。


 しゃべれば、あからさまに違和感を見せる人がいるからです。「打ちたくないのに打て」と心理的プレッシャーを与えられるのは、不愉快な話、何で肩身を狭くしなければならないのか。


 外電によれば、フランスでオミクロン株とは別の変異株が出たとありました。島国キプロスでも変異株が出て「デルタミクロン株」と名付けられたと言います。もはやモグラたたき状態。イスラエルでは4回目の接種が始まっています。もはやイタチごっこです。


 ワクチンの予防効果が時間が立てば軽減するから、複数回の接種をするのでしょう。ファイザー社のは、八カ月間隔と言っていたのに、医療関係者には六カ月と短縮、アメリカでは四カ月間隔もあり、なにが正解かわからない。切れ目切れ目の時点では非接種者と同じになるのじゃないですか。さらに変異株なら、ワクチン成分の対応も違ってくるのではないかなと思いますが。


 国内でも接種を受けた人が感染したり、感染源になる、いわゆるブレークスルー(突破する)感染が少なからず出ています。接種しているからオールOKではないようです。非接種者としては、三密回避ほか手指消毒など基本動作を厳しく守っています。


 それでも、感染したら、それは天命ですね。


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 追記 1月17日、外電によれば、豪州の連邦裁判所は、ジョコビッチ選手の入国ノーの判決を下したため、同選手は出国したと言います。先進国なら三審制だと思いますので、もう一度提訴できるでしょうが、その間に大会が始まってしまうので、「失望した」と言い残して去ったようです。


 豪州では、国民にワクチン接種を義務付けているそうで、それとの整合性を求めたのでしょうが、接種が「完全な予防策」でなくなっている以上、非接種者を排除する理由としては合理性がない。豪州のやり方が、前例となれば、国際競技や国際交流はやれなくなてしまうだろう。非接種者を排除するより、共生する方が望ましい。

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