がん患者の父

娘が膵臓がんになった。まさかまさか、痛恨の極みです。

ショッキングな統計

娘が患っているがんは、膵臓がん。初期診断ですぐに進行がんといわれ、可能性がわずかあるかもしれない手術に踏み切ると、予定された所要時間の6割ほどの時間で中断となった。


浸潤と転移が目立ち、切除では追いつかない、したがって放射線による治療も及ばないというのが、主治医の判断でした。


病期はすでにⅣ期。セカンドオピニオンを求めた別の医療機関の医師は、膵臓がんは「がんの王様」といいます。いまの治療水準からして、もっとも治癒困難な悪性の部位のがんとされているといい、かつ「Ⅳ期ともなれば(治癒の)ミラクル(奇跡)はほとんど起こりえない」と述べました。


職業意識として、冷静な現状を話してくれたものだと理解はしても、とても患者家族にとって堪えられるものでない。もちろん、このような冷厳な事実を娘には伝えていません。


いらい、心の奥底に黒い澱のように「起こりえないミラクル」という言葉が沈んでいます。断酒してしまった娘婿も、おそらく同じような心境にあるにちがいない。


このほど「全がん協生存率調査」が発表され、その一部が新聞報道で伝えられました。「全がん協」というのは、全国のがん治療専門医療機関32が加盟する「全国がんセンター協議会」とのこと。


新聞報道のポイントは、胃がんや乳がんであれば早期発見、つまり病期Ⅰ期であれば、100%近い治療効果を上げられるようになったというものです。たしかに「がんは治る病気になりつつある」ようです。


が、膵臓がんについての数字がみつからなかったので、「全がん協」のホームページを調べてみて、あらためて大きなショックを受けました。


2007年ー2009年 診断症例  5年生存率(%)  
      Ⅰ期    Ⅱ期  Ⅲ期  Ⅳ期
膵臓がん  41.9         18.3        5.9         1.2


Ⅳ期の部位別で比較しますと、胃がんなら7.2%,大腸がん20.2%,肺がん6.1%,乳がん37.1%
といった、より高い生存率のしめす数字が並んでいます。こうした部位に対して膵臓がんの生存率は部位別では最低クラスです。


このような統計を単純に娘に当てはめるつもりはないとはいうものの、1.2%というのは、
絶望的な数字です。なんというか、悪い夢をみたような、気分が悪くなりそうな感じです。


この部位のがんは自覚症状が乏しく、また早期発見につながる検査法もなく、したがって発見されたときは、著しく進行しているためだと、どのような医療手引き書にも書いてあります。


がん一般が、もはやは不治の病ではなく、治る病になりつつある成果に期待をかけています。なんとか膵臓がんについても早期発見につながる検査法なり、治療方法が劇的に向上しないものかと切望する思いです。