がん患者の父

娘が膵臓がんになった。まさかまさか、痛恨の極みです。

池畔の散歩、花見、


春休みなので、次女の娘が婿と一人息子と3人が車でやってきた。中一の孫息子が、パスタを食べたいとのことで、長女とその娘、そして私ら夫婦とあわせて7人でパスタ専門店へ行きました。


がんと闘う娘もよく食べた。種類が多く、ちいさなパンは食べ放題とあって、炭水化物ばかりお腹いっぱい食べた。元気よく、好きなものを食べられるのは幸せなことです。


食後、店の近くに大きな池があり、桜がもう咲いているかもしれないと連れだって散歩に行きました。暖かい日差しが気持ちいい。池を渡ってくる風もやさしい。そんな好天気のせいか、なんと池畔の桜並木は満開でした。


お花見に来たおおぜいの人々と池の堤防を歩きます。娘は息子や姪といっしょに話しながらしっかり前を歩いています。ちょっと離れて、その後ろ姿をみながら婿殿と話します。婿殿も最近の娘の体調がいいことを、喜びつつ、多少意外な気持ちをこめて話します。


「重い病気を患っているといわなければ、わからないほど見かけはフツーと変わらない」
「やはり、抗がん剤は効いていると思いたい」
「三つある腫瘍マーカーは、最初をのぞけば、いずれも基準値をキープしている」


最初の手術医が宣告した余命説によれば、その時期は5月中旬になる。もういくばくもない。婿殿に話を向けてみます。


「あの予測がほんとうなら、いまの元気は、どういうことなんかなあ」
「病状の推移は、ほかの病気とちがって突然急変するかたちで現れるともいうし、、、」


なんだか、あいまい漠然とした話しかできない。結局、がんについて、素人が正確で納得できる材料がないのです。同じ部位のがんでも、発症場所の微妙な違いや進行度の深さや速さについても個別に違う。それに対する治療法は大まかにはあっても、それこそサジ加減は個別に違うわけだから、一律の答えを持つのはむずかしい。


来月早々の8回目の化学治療のとき、CTなどの画像検査があるという。がんが小さくなっていることを祈ります。


娘は姉と交代に写真を撮りあってはしゃいでいます。孫娘の姪は今春大学を卒業、来週から就職先の研修がはじまるそうだ。孫息子もよくできる同級生にもまれながら春から二年生になる。みんで集合写真も撮った。


私たち夫婦には娘が二人、その娘たちには子供が一人ずつ。二人の婿殿を加えても、三代あわせて八人という小さな家族です。みんなそろって来春も桜の下を歩くことができるかどうか、できますように。