平和賞で思うこと
受賞式に出席した被団協の幹部たち(google画像検索から引用しました)
かつて、友人と、こんな会話をしたものです。
「日本政府は、なんで核兵器をなくすための努力をせんのか」
「そりゃあ、まあ、アメリカに遠慮しているからや」
「なんでや、原爆の被爆国やないか」
「そうなんやが、敗戦後は、日本の安全保障はアメリカさんに頼り切っていているからやね。だから、アメリカの強大な核兵器に守られているという意味で、“核の傘”に入れてもらってると言われているんや。アメリカさんに気兼ねしてるか、見方によっては屈服してるわけやなあ」
30数年まえ、広島に単身赴任中、どんな様子か冷やかしに来てくれた友人との酒席での会話です。「平和公園」には、よく散歩にでかけたものです。ノーベル平和賞をもらった被団協の人たちの笑顔を映像で見ていて、そんなことを思い出しました。
被団協の人たちの永年の血と涙の努力が国際的に認められたのは、喜ばしい出来事ですが、あれから30数年たってても、日本がアメリカの核の傘に入っている現実は少しもかわっていません。
たとえば、2021年に世界の参加国が50カ国に達したため発効した「核兵器禁止条約」に日本が参加していません。世論調査をすれば7割以上の国民が参加に賛同すると見られる条約ですが、日本政府は乗り気でありません。
なんでや。その理由は、核兵器を保有するアメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスの5カ国(この5カ国は国連安保理事会の拒否権を持つ常任理事国でもあります)が参加していないので、条約の効果がない。なので日本は唯一の原爆被爆国として、核保有国と非保有国との間を取り持つ架け橋になる、などと言っています。
なんのこっちゃ、という理屈です。条約を推進する構えがぜんぜんない。どんな架け橋を作っているのか、作ろうとしているのか、イメージさえ浮かばない、へ理屈です。進んでオブザーバー参加くらいしなけれならいないのが日本の立場です。政府が、傘をさしてくれているアメリカの方針に逆らうわけに参りませんというなら、その一方で声高に「ノーモア、ヒバクシャ」「ノーモア ヒロシマ,ナガサキ」と叫ぶ被団協はじめ国民の願いは、虚しく思えます。
被団協はじめ日本国民の間では、核兵器の製造、保有、行使は「人類の破滅につながる脅威」という認識で、強い反対をしていますが、日本国民を代表する政府は、日米安全保障条約(日米地位協定を含む)から1ミリも動かないのです。日本国民が経験したことからすれば、「核廃絶」を国家目標にして全世界へ全力で実現に邁進してもいいと思っています。
ノーベル平和賞といえば、清新な期待を抱かれて登場したオバマ米大統領は就任直後に「この世界からあらゆる核兵器を廃絶する」と演説、世界から拍手喝采を浴びて、平和賞をもらいましたが、その後はさっぱり活動せず、国際世論の動向に沿ったリップサービスに終わった感があります。オバマにして、超えられない壁があったということのようです。
今回の授賞式まえの新聞報道では、現地ノルウエーの人の声として、被団協の受賞を「知らなかった」という男性、「平和賞はフアッションです」と感想をのべてた女性を紹介していました。思いもよらぬ醒めた感覚に驚きました。ひょっとしたら、国際社会では平和賞は、こんなに評価されていないのかな。
国防オタクのスナバ首相は、総裁選段階までは、日米地位協定の見直し、東アジアの平和と安定のための国際機構つくりなどに約束していましたが、首相になるや、所信表明にも触れない有様。尋ねられると、「自民党は独裁でないので、、」といいわけしています。党内事情優先ならば、個人としての政治家の思想信条などはまったく期待できないではないか。キレイごとを口にするなと言いたい。
ロシアとウクライナの戦争を見ていると、ウクライナを支援するNATOとアメリカは新型兵器を次々供与しています。まるで新兵器の実験場です。さぞかし、軍需産業が潤っているのでしょう。戦争はカネになるのです。双方が力と力で突っ張り合う戦線の成り行きしだいでは、プーチンが威嚇したような核兵器の使用は回避できないのではないかと深刻に思います。
人類は、自らが生み出した最強最悪の核兵器が、国際社会で覇権争いや人類存続の最大の争点になっているのに、歯止めがきかないようでは、地球温暖化よりも先に核兵器で滅んでしまうかもしれません。
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「イマジン」。ジョン・レノンが暗殺されたのは、奇しくも日米戦争開戦の12月8日と同じ日でした。もう44年前になります。反戦運動に強い関心を持ち、晩年のレノンは求道者のように平和を望んでいましたのに。ビートルズのすべての楽曲よりも、この「イマジン」は素晴らしい。わかりやすく、メロディはやさしい。永遠に歌われ続けられる名曲ですが、レノンの心を込めた歌詞の趣旨が実現される日はいつだろうか。
(FACEBOOKから引用しました)
気をつけよう、汚染水と自公維国!!

