退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

韓国の戦争映画

 韓国の戦争映画には、やはり南北が争った朝鮮戦争(1950年ー1952年=昭和25年-昭和27年)が題材になっている物語がほとんどです。しかし、あつ、そうだったのだ、と気づきを与えてくれる別の戦争映画がありました。


 そうです、韓国軍は、朝鮮戦争が「休戦状態」になったあと、アメリカのベトナム戦争(1964年ー1975年=昭和39年ー昭和50年)に参加して、大兵力をベトナムに派遣、米韓連合で北ベトナム軍と戦っていたのです。


 これは韓国がアメリカの戦争に、いわゆる「集団的自衛権」という実力行使を果たして参加した実例です。韓国とアメリカは、「韓米相互防衛条約」(1953年=昭和28年)を朝鮮戦争後に結んでいるのです。「相互防衛」つまり、互いに助け合う、という約束です。「日米安全保障条約」と同じ性質の条約ですが、日米の場合、日本側に「憲法9条」がありますので、互い助け合うやり方は、やや限定的です。


 このことはよく知られていますものの、集団的自衛権というものが、よくわからないという方がいます。簡単にいえば、「襲われたら我が身を守る」というのが、一般的な(個別的)自衛権です。そして、集団的自衛権といいますのは、思想家、内田樹さんの表現では「他人のケンカを買って出る権利」というわけです。日本の場合、具体的には、アメリカの戦争を「買って出て」海外派兵など戦闘に積極的に関わることです。


 ご承知のように 日本は「戦争をしない国」として憲法9条を持っています。ですから、集団的自衛権の行使は、従来の自民党政府ですら、ずっと憲法違反として認めていませんでしたが、あの無知なアへ・シンゾウが閣議決定という勝手なやり方で、この集団的自衛権の容認と行使の道を開きました。その後の、いろいろな安保関連法制は、この「解釈改憲」(憲法を骨抜き、解釈だけ都合よく変えること)の道に沿っています。


 アマゾンプライム(アマプラ)の作品群を眺めていて、みつけたのが、韓国映画『あなたは遠いところに』(監督、イ・ジュンイク 2008年)です。そしてこんなドラマの映画が韓国でつくれるのは、アメリカとの間に集団的自衛権の行使を結んでいることが背景にあることがわかります。


                   (google画像検索から引用しました)


 ストリーは、新婚の韓国人の夫が、突然志願してベトナム派遣の韓国軍に入り、ベトナムへ行ってしまいます。妻は理由も知りたいし、愛している夫の元へ行きたいと、あれこれ探して、ベトナム派遣部隊を慰問するドサ回りの一座に歌手として潜り込み、ベトナムへ。映画では、戦争特需を狙ってたくさんの韓国の慰問団や山師たちがベトナムに集まっている場面も描いています。妻は歌手の真似事をしつつ最前線まで出かけるはめに。。。。


 こんなベトナムを舞台にした韓国の戦争映画つくられているのは、こういうことです。
 朝鮮戦争の「休戦協定」のあと、1961年、軍事クーデターで政権を握ったパク・チョンヒ(朴正熙)大統領は訪米し、当時のケネディ大統領に、おりから交戦中のベトナム戦争へ韓国軍派遣を申し出ます。ケネディ暗殺後のジョンソン大統領が、この申し出を受け入れ、韓国軍のベトナム派遣が決定しました。このパク・チョンヒ大統領の申し出は、韓米相互防衛条約の運用を、自らの政権の正当性をアメリカに認めてもらい、歓心を買う行為に利用したものと解されています。


 こうしてアメリカの戦争を「買って出た」韓国軍は、縁もゆかりもないベトナムへ。wikiによると、ベトナム戦争に34万6393人にも上る兵員、医療団を派遣し、戦死者4968人、重軽傷者8004人という犠牲者を出しています。死傷一万人としては、なんという不運な巡り合わせなことか!.


 戦争イヤイヤ気味の米兵に代わって、韓国兵の勇猛な戦闘は,力強い援軍ではありましたが、同時に非戦闘員への殺人、強姦、放火、あるいは虐殺事件を起こしたと伝えられています。


 これが「他人のケンカを買って出る」集団的自衛権行使の実際例です。日本の場合、このベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争などのたびにアメリカから兵力派遣の打診がひそかにありますが、「9条があるので動けない」と突っぱね、湾岸戦争では巨額の戦費だけ負担していたのです。アメリカは、「9条成立事情」を百も承知しているので、それ以上押してきませんでした。


 にもかかわらず、「集団的自衛権の行使」という危険な道を開いたアへ・シンゾウと同様、今のキシダメも、危険です。ミサイルを買い、軍事予算を倍増するとバイデンに約束しています。戦争に前のめりです。日本のトップも韓国のトップも、自国民の安全よりも、自らの保身のためにアメリカの戦争に平気で自国民を戦死要員として差し出すのです。アメリカからの強い要請を言い訳にして。


 キシダメは、「日米安保条約」を、さらに具体的に詳細化した「安保三文書」をまとめています。その文書の一つには、「反撃能力」と言い換えている「敵基地攻撃能力」があります。「敵基地」とは、敵国のミサイル発射基地などのほか、「指揮統制機能等」を含めると拡大させています。これは、敵国のトップとその居る場所も攻撃することを意味しています。これが「憲法9条を持つ国」の作戦計画といえますか。丸っきり戦争戦略じゃないですか。


 向こう5年間の軍事拡張計画による軍事予算では、日本はアメリカ、中国についで世界第三位の軍事予算大国になります。「戦争をしない国」の裏の顔です。ウクライナと闘うロシアを抜いてします。こんな「戦争をしない国」がありますか。


 国際社会は日本が、アメリカの傭兵として戦争に加担するだろうと予期しています。なぜなら、先の台湾有事に備えての日米軍事演習では、初めて中国を「仮想敵国」と見なした文言が使われたといいます。それほどキシダメは先走っています。


 とくに今、キシダメは自業自得で落ち目です。落ち目の権力者ほど、形勢を一挙に反転させるため、無謀な権力を使います。戦中戦前の軍部は、「一撃反転」,「一撃逆転」と称して、国を滅ぼしてしまいました。


 ただいま、陸海空三自衛隊の兵力は約22万8000人です。1万9000人の定員割れ状態です。韓国軍がベトナム戦争に派遣した総兵員より少ない。この少ない現状では、皆さんの夫や子弟が、いよいよ徴兵される法令化がされるのは目に見えています。自民党がもくろむ改憲案では、徴兵は法律によらず、法律と同様の効果がある「政令」で出来るとしています。


 昭和38年に国会で暴露された自衛隊内部の軍事作戦計画「三矢研究」では、なんと、開戦した時、首相がTV演説する原稿まで作成していたと言います。自衛隊という唯一の実力部隊を増長させてはいけません。彼らにミサイルや新型戦闘機を与えると、使ってみたくて仕方がないでしょう。その連中のアタマをうまく抑える文民側が浮ついていては、国民は、ひどい目にあいます。


 自衛隊の存在を戦時体制向けに強化した政権は、8年にわたるアへ・シンゾウと、その官邸グループでした。その権力の基盤は、国会で3分の2の議席を与えたため、何を立案しても、数の力で押し切れたからです。強行採決を乱発しました。日本の安全安心は、自公政権に3分の2を与えないことです。腐敗しきって自浄能力がない自民党は、自滅する淵に立っています。


 日本の戦争映画の題材は、ほとんど太平洋戦争ものです。もう、それでたくさんです。戦争映画の新たな舞台が拡張されないようにする唯一の方法は、「戦争をしない国」であることに誇りを持っている政党とその候補者に、次の総選挙から投票をすることでしょう。平和的に政権が交代できる国造りをしましょう。


 だいたい、この21世紀というのに、何が悲しゅうて、他国の土地を分捕り、他国の人々を屈服させなあかんのか。アメリカのために、自公政権のために、キシダメのために、一回限りの大切な命を捧げんとあかんのか。名実ともに「戦争しない国」へ、みなさんの一票をいかしましょう。





        (Facebookから引用しました)




   気をつけよう、汚染水と自公維国!!

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