退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

シンキロウは消える

 いま{時の人}は、森喜朗・日本オリンピック・パラリンピック組織委員会会長。


 僭越ながら、モリ.ヨシロウさんは、ぼくとほぼ同じ世代の人です。ですから、タメ口で言わせてもらうと、「まあ、いいトシこいて、バカじゃなかろうか」。時代錯誤のノーセンスをさらけ出して、集中砲火を浴びています。


 モリさんみたいな、たわけもの者がいるから、やっぱり年寄りは、老害とか、老醜とか、レッテルを張られるのです。いい迷惑、困ったものです。もともと、モリさんには荷が重かったのですが、名誉心につられて、神輿に乗っていたのです。


 女性を見下し、差別する発言を臆面もなく公の場で行い、批判されるや、すぐに撤回していますが、モリさんの、かねての実績からすれば、あれは失言ではなくて、本音です。


 戦後77年、世の中の価値観が大きく様代わりした時代の流れを、モリさんは少しも体得することができなかった。政治の要職を歴任したにもかかわらず、根深い男尊女卑の差別意識から抜け出せなかった。そうみられても仕方がありません。


 この人物は、かつて小渕恵三首相の急死に伴い、党内の密議で急遽、首相に担がれましたが、言うこと、成すこと、はっきりしなことが多く、森喜朗を音読みして、シンキロウ(蜃気楼)とも言われた。要するに、何をやるべきか、本人もわからないままリリーフに立ちまして、目立ったのは、失言ばかりでした。今のガースーと似ています。


 中でも著名なのは「日本は天皇を中心とする神の国である」発言です。時計を戦前に巻き戻すような超国家皇国史観です。


 国民一般は、いまさら、そんな主権在民、民主主義に反する絵空事は勘弁してくれと思うのですが、自民党を支持する中核層が持つ思想の本義は、いまもここにあります。その点ではモリさんは、中核層の信頼を得ているのです。


 実はモリさんが最初に地元石川から出馬した時、先の戦争の開戦の詔勅に署名したA級戦犯、岸信介の応援を得て当選しております。これを恩義に感じて、その後、岸の孫のアベ・シンゾウが政界に出ると、その後見役ふうになります。


 頭角を現すアベとともに政界では重きをなしてきた。モリさんはラグビー推薦で早稲田に入っていますが、たった4カ月で退部しています。そんなキャリアなのに一時期、日本ラグビー協会の会長をやっています。会長になる方もなる方なら、権力者のご機嫌とりに走るスポーツ団体も、いい加減なものです。


 五輪組織委の会長というポストは、モリさんの花道を飾るアベのプレゼントだったと、ぼくは思っています。ところが、まあ、なんですね、因果は回り回って、アベもモリも自業自得で、第一線から消えることになり、結構なことです。


 いまのところ(6日)今回の不祥事を政府与党はうやむやにしたがっていますが、国際的な批判には持ちこたえられないと思います。シンキロウは、消えるから蜃気楼なんです。

×

非ログインユーザーとして返信する