退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

続 タナカノゾミ

 五輪はコロナ感染者と重症者と死者を爆発的に発生させ、手の打ちようがなくなった事態を招いて8日閉幕。このフィナーレが、コロナ禍が台風とともに消え去り、統治能力ゼロのスカタン政権の終章になることを祈っています。


 ぼくは、かねてから五輪開催反対。国民の命と暮らしを守ることが五輪より大切なのは当然のことですし、さらに金儲け主義に堕ちた五輪組織の廃止,または改組を望んでいます。


 コロナ禍のせいで五輪組織が国際親善の善意の機関ではなくて、国際的規模のスポーツをウリにした民間の興行事業体であること、IOCもJOCも、いい加減なカネまみれの仕組みをたくさん抱えていることが、ようやく国民に広く知られたことは、”不幸中の幸い”かもしれません。五輪は,平和の祭典を装った金儲けにすぎません。


 現実に五輪が強行されると、表向きにはアスリートにはツミがないという建前の議論が浸透しました。どっち向いているのか。アスリートたちと競技団体関係者は一般国民とは違うとでも考えているのか。コロナ禍の五輪開催について、ごく一部を除いて、ろくに反対意見も政府批判をあげない実情に失望しました。アスリートたちは、巨大興行師と利益をシェアーする共謀関係であることを自認したかのようです。


 とはいうものの、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というほど選手が憎いわけではないので、陸上競技1500メートルに出場した期待のタナカノゾミの競技は、TVでしっかり見届けました。


 彼女については昨年、このブログ(2020年10月3日投稿)で取り上げて、女子陸上界の超 新星と賛辞を送りました。そして「東京五輪は中止になるだろうけれど、彼女はまだ若い」と期待をかけていました。


 トラック競技で女性が決勝に進出したのは、25年ぶりでした。中距離に限れば93年ぶりです。予選では初めて4分を切り、自身が持つ日本新記録を更新しました。小柄な体にもかかわらず、最初から先頭に立つ積極的な走りでした。


 彼女は、先行逃げ切り型だといわれていますが、過去の国内大会を見れば、世界の第一人者、オランダのハッサンの戦法とそっくりなところもあります。集団の最後尾につけて、徐々に位置取りを上げてゆく戦い方も取り入れています。上げ下げできる柔軟な能力を身につけています。


 彼女は準決勝後の会見で、決勝は勝ち負けにこだわるからスローペースになるだろうと予想していました。決勝でも果敢に先頭を狙いました。ただ、ハッサンら有力選手が初動の段階で意外にも早く先頭グループを形成しましたので、彼女は5番目くらいに位置で追走しました。


 ラストコーナーあたりでスピードが落ちましたが、8位に食い込みました。すごい、素晴らしい快挙でした。世界にむけてタナカノゾミ時代の幕開けでした。会見での受け答え受けもテキパキしておりました。


 それにしても、決勝の6日、東京の気温は33.1度。高温多湿の夜9時50分からスタートというトンデモナイ設定は、アメリカ・東部時間(夜8時50分)に合わせたものでしょう。アメリカ国民が、エアコンが利いた居間でビールでも飲みながらTVを見られるようにというIOC、大手スポンサーTV、NBCへの配慮です。


 アスリートの健康なんか、どうでもいい。そんな横暴をもう終わらさなければなりません。国民のコロナ禍なんか小さい小さい、五輪で熱狂させれば、愚かな国民はついてくるとスカタン政権はもくろんでいます。利権と政権浮揚につながるとして五輪をゴリ押ししたスカタン政権。秋の総選挙で、民意をはっきり見せましょう。

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