退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

お気に入りのTV番組

 五輪開催中は、どこもスポーツ中継ばかりでしたが、ぼくは、たいして困らなかった。なぜなら、毎週見るTV番組は決まっているからです。高齢者の方はどんな番組を見ているのかな。


大阪での放送時間でいえば、
①月曜夜6時25分 「youは何しににほんへ?」 (テレビ大阪)
②月曜夜9時  「吉田類の酒場放浪記」  (BSTBS)
③木曜夜7時57分 「日本人のおなまえ」   (NHK総合)


 あとよく見るのは、「ニュースと天気予報」は別格として、「タイガースの野球中継」、「登山や旅行紀行」、「社会派ドキュメンタリー」「今日の料理」など。これらは、番組表をチェックして、あれば見ます。


 ①は外国人が「何に用があってくるのか」がわかって面白い。歴史や文化、アニメやゲームなどサブカルチャーへの興味、ラーメン巡り、自転車旅行、、。日本人女性と結婚した外国人の男性も多い。その逆が極めて少ない。日本人女性は、きれい、やさしい。そのあと親指立てて、ウインクしたイギリス人がいたな。三番目の誉め言葉は、なんなのかな。


 ②類さんが居酒屋を訪れて、実にうまそうに酒を飲み、サカナを食べる。板前さんや他の客との何気ない会話も楽しい。ああ、ビールで、牛スジの煮込み、食べたいなあ。


 ③人名、地名、モノの名前、いろいろワケありの理由があって、なるほど、なるほど、という番組。まあ、どうでもいいようなことを、よく調べてみせるのも楽しい。


 むかしから、「連続ドラマ」はぜんぜんみません。NHKの大河ドラマや朝ドラのようなものは、ちゃんと見たことは一度もありません。一つは若いころは、休日や時間が極めて不定期な仕事だったせいもあり、連続物は見続けることができなかった。それが習慣になっています。


 その後、録画撮りができるようになっても、そうまでして見るほどのものか、と思ってます。しかし、現役のころは大河ドラなんか、出先でちょっとした雑談に出てきますので、タイトルや主演者の名前くらいは憶えていたものです。


 「一話完結」もののドラマは、レンタルDVDやアマゾンプライムで映画を毎週たくさんみていますので、TVに頼ることはありません。陳腐なドラマを日本人が演じていると、どうもウソっぽくて、こそばゆい。恋愛ものなんか外国人のものの方がいいですね。


 TVアナが番組のはじめに「こんにちは」というと、画面に「こんにちは」とオウム返しに答えながら、頭を下げるげるおばちゃんが、けっこう居ると聞きます。独り暮らしの人なら、なおさらで、それが、その日初めて声を出すことになります。寂しいですね。


 お年寄りになると、起きると、すぐにTVをつけて、あと寝るまでつけっ放し。だいたい目覚めている時間の3分の1くらいは、見るともなく見ているそうだ。「時間がいっぱいある」からだろうが、それでいいのか、よくないのか、判断がむずかしい。TVを取り上げたら、何をして一日を過ごすのかと考えます。


 総務省やNHK放送文化研究所の調査では、新聞からも、テレビからも、若い世代どんどん離れれて行き、ネットへ移行していることが指摘されています。ただ、高齢者世代だけは、テレビ視聴は変わらないとあります。今やテレビは高齢者の”終生の友”となっているようです。


 余談ですが、この高齢者とは70代までのことで、おおかたの調査は、対象に80代というのは無視されています。「70代以上」という枠で、ひとまとめにされているのが現状です。80代、90代というのは社会的な存在としては、居ないも同然、透明人間あつかいなのです。これって、ひがみかな。


 以前、痴ほう症患者数十人が食堂に集まっている光景を実際にみました。入口に鍵をかけ、自由な歩きを禁止していました。大型テレビが部屋の隅で映っていますが、誰一人として画面を見ている人はありません。誰一人として、声をあげたり、他人としゃべろうとしているものはありません、みんなうつむいているか、仰向いて天井を見上げています。しーんといて、池の底にいるような索漠した冷たい風景でした。


 高齢者がテレビ好きに見えるのは、「たっぷりの時間を紛らわせてくれる」からでしょう。特にテレビ好きというよりは、ほかにすることがないという実情があります。若年世代のTV離れが進むと、高齢者世代だけがTVの大き命脈になる可能性が高まります。


 TVと高齢者が需給関係で持ちつ持たれつになると、スポンサーも番組内容もガラッと変わるかもしれません。浪花節や落語はライヴで、スポンサーは金融機関、法曹関係、医療機関、保険会社、葬儀会社といったぐあいになるかもね。

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