退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

手づくりラーメン

 暑くて食欲が,わかないけれど、ラーメンなら,するすると食べられます。


 エアコンのきいたラーメン屋さんで、熱々のラーメンをすするのは美味しい。丼一つにお腹いっぱいになる美味しさが,盛り込まれている国民食ですね。美味しいラーメンの食後は、いい映画をみたあとのような余韻を味わいます。


 ラーメン屋さんは、競争が激しい。したがって味を競い合っています。近年では、どのお店も失望するようシロモノはありませんね。自宅からクルマで20分くらいの距離圏内に複数のチェーン店も含めて20軒ほどのラーメン屋さんがあります。国道筋が南北に二本通っている地理的条件が、ラーメン激戦区を生んでいるようです。


 ラーメンにはいろいろな味がありますが、好みは鶏ガラスープに醤油味ですが、豚骨スープ、たまには背脂ギトギトのラーメンもいい。さっぱり塩ラーメンもうまい。麺は、太麺、細麺よりも,ちじれ麺がスープが絡んで美味しい。


 ラーメンが運ばれて来ると、食欲をそそる盛り付けを眺めたあと、レンゲでもってスープをひとすくい、口に運び、味わう瞬間が楽しみですね。なんと、うまいスープなんだろうと、いつも感心します。ラーメンは、スープが命ですね。


 それで、無謀にも、ラーメン屋さんのラーメンを自分で作ることに挑戦してみました。もともと麺類がすきなので、ソーメンやら、うどんもよく食べます。以前、この欄で「袋ラーメン」の「お気に入りベスト3」を書いたことがあります。


 さて、図書館から『極上のおうちラーメン』(高梨樹一 ワニブックス刊)を借り出して、それを手本に食材をそろえました。「極上の醤油ラーメン」ができるはずです!!。


 午前中のスーパーにメモを持って、うろうろして揃えました。そこで気がついたのは、買い物カートを押して、メモを見ながらきょろきょろするご同輩のお年寄りが複数いたことです。わけあって、一人で食糧調達するヨタへロ族(評論家、樋口恵子さんのの造語)の男性が増えていますね。


 連れ合いと二人暮らしなので、食材は手本にある分量をすべて半分にしました。
一、豚バラブロック 約250g   (ズバリの重さのブロックがない)
一、鶏モモひき肉  約200g   (上に同じ)
一、長ネギ     一本    (一袋3本入りしか売っていない)
一、もやし     一袋    (手本にないが、食感好みなので)
一、ちじれ麺    二玉
一、花かつお    一袋


 
 写真は、上から時計回りに、もやし、ネギ、麺、鶏ももひき肉、豚ばらブロック、花かつお。中央の皿は、台所にあった昆布、だしじゃこ、だしパックです。




 スープ作りの手順はこうです。鍋に水1リットル、豚、鳥、ネギ、ショウガ、昆布、ダシジャコを投入して、弱火で煮る。沸騰したら強火で30分。その間、ひき肉は菜箸でほぐします。これで煮豚が完成、別に移したあと、花かつおをいれて3分弱火。その後、ザルで漉したら、スープも完成です。


 スプーンでなめてみたら、味がいまいち、なんじゃ、これって感じ。どうしてなのか。連れ合いが言います。味付けしていないからだと。ページをめくると、「万能しょうゆダレ」の作り方がありました。スープはスープ食材だけではダメらしい。


 濃い口しょうゆ300㍉㍑、水150㍉㍑、みりん35㍉㍑、お酒15㍉㍑、砂糖、ニンニク、ネギ(青い部分)、ショウガなどを適量に混ぜて、鍋に入れ、かき混ぜて沸騰したら、完成です。


 手本では、香味油として鶏油(チー油)を推奨していますが、2か所のスーパーでは棚にありませんでした。通販では見つかりましたが、間に合わないので、これはパスしました。だいたい、ラー油は知っていましたが、チ―油は存在さえ知りませんでした。埒があかいないとは、このことか。手本では「ラーメンの個性を方向づける」大事なものらしい。


 チャーシューは、鍋にこの万能ダレと煮豚を入れて、裏表いずれも10分ずつ煮て味をしみこませたら完成、煮豚を包むくらいの万能ダレとともに袋に収めて冷蔵庫で寝かします。


 これで万能ダレが少なくなってしまいました。失敗です。チャーシューづくりを見越して,万能ダレは多めに作っておくべきでした。煮卵つくりもやめました。



 ようやくできたラーメン。丼の底に万能ダレ。少ないのが残念、かためにゆがいた麺、その上にスライスしたチャーシュー、モヤシ、ネギを盛り付けて夕飯のテーブルに。あんまり見栄えが良くないなあ。卵やナルト、メンマもないし、、。


 さて、ラーメン食の最初の儀式、レンゲでスープを一口いただく楽しみな瞬間、あれっ、こんな味か?? スープは澄んでいて、見た目にはいいのですが、うまみにかける。コクもないなあ。連れ合いも一口食べて、黙っています。悪い予感がします。


「どう?」
「うんまあ」


「やっぱり,難しいな、プロのラーメン屋のようにならんなあ」
「そうやな」


「食材考えたら、食べに行った方が安くて美味しいなあ」
 深くうなずく連れ合いがいました。            
 (チャンチャン)


 手本は、適切な写真と手順が分かりやすい。よくできたハウツーものです。どこで間違えたか、ハンセイ。チー油を用意して、木枯らしが吹くころ再挑戦してみよう。がっかりさせて、すみませんでした。

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