退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

みどりのカーテン

  グリーン・カーテン、ちょっとキザです。要するに、[生きているすだれ]ですが、毎年、暑い夏を見越して、一階の二部屋への日差しをさえぎる「緑のカーテン」を育てています。ゴーヤとアサガオのカーテンです。


 今夏もうまく育って、日中のきつい日差しを、やんわり、さえぎってくれて、居ながらにして緑あふれる風景を楽しめます。多少は室温を下げてくれていて、エアコンにも協力してくれているようです。

(ゴーヤのカーテン。左は居間のべランダ側から、右は外からの写真)


 ゴーヤは、庭のわずかばかりの菜園のふちに植えています。居間つづきのべランダを覆うように繁って、”木漏れ日”さえ通さなくなり、いい葉陰を作ってくれています。黄色い小さな花が咲くと、次々としっかりゴーヤの実がぶら下がって、最盛期には、毎日、ゴーヤチャンブルーとなります。それでも、まだご近所におすそ分けできるほどです。


 居間から眺めて、また一つ、二つ実っていると連れ合いと共通の話題になるのも、いいものです。なにしろ、二人とも長く生きて「初めての八十代」を経験中なので、もう日々のことは、とくに「お話することは、なにもありません状態」になっています。


 植物を育てるのは、それをカバーしてくれています。ほかにメダカとエンゼルフィッシュを飼っています。共通しているのは、モノを言いませんが、手をつくしてやると、ちゃんと反応があることです。これらの成長ぶりや姿かたちは、けっこう、いい話題のタネになります。


 イヌ、ネコをペットにするお年寄りが多いのは、ご本人の慰みでもあり、連れ合いや愛好者との共通の関心事になるからでしょう。たまに、人間の子どもを見守るようにべたべたに偏愛する人もおられます。あれは、犬猫に興味がないぼくには、ちょっと腰が引ける光景ですが、、。


 子どものころ一時預けられた家で老夫婦が、大きな犬を座敷飼いしており、怖い思いをしました。しかも、食事のとき、交互に犬の名前をネコナデ声で呼んで、自分の箸から直接、食べ物を犬にやるのです。その食べっぷりをよろこんだいるのです。濡れて光る箸が犬から人へ、人から犬へ、ぞっとしました。あれから犬猫は、どうも、ね。申し訳ないが、すきになれませんね。


 それはさておき、もう一つはアサガオです。これは庭に五つの鉢を並べて、4,50センチになると、グリーン棒を支柱に網目のネットに伝わせます。アサガオは、和室全体を覆って、二階のバルコニーまで達します。以前に書きました「老人の昼寝」というのは、このアサガオを眺める位置で寝転んでいるのです。


 連れ合いは、花の色をとりどりにと、タネを選別して植えるのですが、ことしは、なぜか青ばかりとなりました。アサガオはそろそろ花時が終わりますが、ゴーヤは例年、10月末ごろまで頑張っていますから、まだまだゴーヤチャンブルーを食べるでしょう。

(アサガオのカーテン。右は外側から、左は居間からの写真)


 それにしても、年々、気候が極端になってきました。春秋が短く、冬夏だけ。夏の暑さもこんなにひどくなかったように思います。昼間エアコンをつけていない二階に上がると、部屋は灼熱地獄。ダニもゴキブリも棲めない暑さです。


 政府やNHKは「熱中症の予防のため、我慢せずに適切にエアコンを使いましょう」としょっちゅう呼びかけています。それはそうなんだろうが、本当は、温暖化を防止するため、これこれの経済活動を強く規制していますという方向を示すのが、日本ならずとも地球の”緊急事態”でないのかな。


 経済思想家の斎藤幸平さんは、国連が言い出し、国際社会が協力目標に掲げているSDGs活動なんかでは、世界の過剰な経済活動には及ばないと言っています。つまり、地球温暖化は止まりませんが、五大陸が氷山から溶けだした海水の洪水で水びたしにでもならない限り、人類は経済活動は止まらないのかもしれません。とんだノアの方舟です。


 国土がジャングルのような熱帯化した日本で、昔はアサガオやゴーヤで緑のカーテンなんか作って涼を求めていたんだなあ、牧歌的だったんだあ、と振りかえる時代がくるかもね。暑さにうなされる老人の妄想であれば、いいのですが。


 (注、SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2015年9月の国連サミットで採択.。国連加盟193か国が2030年までに気候変動、経済活動、技術革新、貧困撲滅、ジェンダー平等など17項目を達成するために掲げた目標です)


 アへの愚行や不作為は山ほどありますが、この温暖化問題もぜんぜん理解しておらず、経済成長一点張り。2019年の国連の「気候行動サミット」では、演説を申し入れたが、断わられています。「美しい言葉より、具体策を」と。役人が書いた美辞麗句の作文を見透かされていたのでしょう。物笑いでしたね。党利党略、私利私欲、韓国製の悪らつ邪教に染まっていた人物の国葬には反対です。


 残暑がいっそう熱くなります。いまからでも撤回してほしい。


 

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