退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

維新悪心、その2止め

 維新の会が結党されてから12年目になります。この間、大阪府と大阪市の首長は、いずれも三代続いて、維新の会が抑えています。ハシモト、マツイ、ヨシムラです。


 マツイは、スカタン・タイプ。ハシモトとヨシムラは、トランプ・タイプです。この二人は、弁護士資格を持っております。二人とも、サラ金会社の弁護士で、容赦ない取り立てをしていたことが、知られています。ハシモトは売春街で知られる飛田新地の業者側の顧問弁護士でした。なにを選ぼうと勝手ながら、その品性といい、カネ儲けへの執念には脱帽ものです。! トップになる人の来歴は、人物の人柄や見識を物語る重要な情報です。


 維新政治が続く大阪。全国のみなさんは、さぞかし大阪は、「子供が笑う」(ハシモトが最初に知事選に出たときのスローガン)明るく豊かになったもの思っているかもしれませんが、とんでもありません。経済、治安、教育、医療、福祉、どれをとっても他の自治体よりよくなったものはないでしょう。日本第二の都市は、とっくにカジノ計画をやめた横浜市です。人口は大阪市より100万人も多いのです。大阪は”副都心”どころか停滞しています。


 この三年間、コロナの感染死者数は、大阪が断トツです。人口10万人あたりでは、東京の1・5倍です。全国死者数の15%を大阪が占めています。惨憺たる実情ですが、このコロナ対策で、知事のヨシムラが「やってる感」満載のテレビ露出がひんぱんなせいか、ヨシムラの名前は全国区になりました。「うがいクスリ、イソジンなどで感染防げる。新薬を開発中だ」とのウソを記者会見まで開いてテレビで広めました。ホント、何んとおっしゃるウサギさん、でした。


 維新は、カネを生まない医療機関に冷たく、市立病院閉鎖、看護学校閉校、保健所の業務内容の変更や職員リストラに積極的に進めました。お得意の「合理化」したところへコロナ禍が起きたのですから、大混乱。こんな冷たい行政のせいで亡くなられた大勢の人々は、お気の毒で救われない。


 生活保護受給者が日本一多いのも大阪です。高齢者で貧しい人が比較的多い大阪は、無策の維新医療行政のせいでコロナ禍の主戦場になったのです。大阪市の65才以上の介護保険料も国民保険料も全国トップクラスの高額です。こうしたことに維新が冷たいのは、本人のいまの社会的境遇は、本人の努力が足りないからだ、自己責任だとみているからでしょう。ハシモトの考えを反映しているようです。


 大阪は、総務省の統計でみると、一人当たり年間収入額は、都道府県のなかで39位です。下位クラス、貧しいです。警察庁の調べでは治安の悪い都道府県の全国2位です。犯罪に出会う確率だけでいうと、トップです。129人に1人は、何らかの犯罪にあっています。それは、ひったくり、空き巣、強盗などが目立つからです。貧しくて、治安が悪くて、、、維新10年の成果です。


 維新は、なぜか教育いじりに熱心で、あれこれ制度や組織をいじり回した結果、文科省の行なう学力テストでは、小学校が40位、中学校39位(2022年度)です。いずれも輝かしいほど最下位クラスです。そして、維新の公務員いじめ、教員嫌いの行き着くところ、教員の平均給与と初任給は全国の中クラスで、教員希望者が大阪を避ける風潮にあります。


 日本総合研究所の調べでは、都道府県の住民幸福度の調査では、な、なんと46位(2022年)です。まあ、最下位同然です。ココが大阪の不思議です。大阪に暮らして、幸せ感がぜんぜんないのに、その生活環境を支配している維新政治については選挙で支持する、という矛盾。そのアベコベ感が異様です。維新支持者は、なにが幸せなんかなあ。


 ぼくのような年金生活者、実社会から離れているので、けっこう第三者的に眺められる立場にいますが、大阪は、相変わらずです。維新は、「大阪都構想」、「万博」、「IRカジノ」と中央の政界を巻きこむような大型のスローガンを打ち出して、耳目を集めるのが得意です。地道なものより、目立つもの優先、大衆迎合路線という感じ。公営賭け事は、胴元が勝つのが決まり。負けて泣く人をアテに経済が潤う、という計算が卑しい。


 ハシモトが嫌った役人商法を、首長商法に替えたようなものです。東京五輪が、そうであったように、大型開発には、巨額の利権が付きまといます。先々、不祥事が明らかになるかもしれません。こんな具合で、肝心の住民の生活環境は、ランキングで見ましたように、総体でよくありません。


 にもかかわらず、維新人気が続いているとすれば、それは関西のテレビ各局と主要新聞がが維新にべったり迎合しているからです。いまジャニーズ問題が東京で起きています。そこのトップが、小児性愛者だと言うことが、業界で知れ渡っていたのに、メディアはどこも問題にしなかった。それは、ジャニーズ事務所を怒らせて、タレントを引き上げられると、テレビ局や音楽、出版などのエンタメ業界が成り立たないからでした。


 維新の立ち位置も似ています。関西のテレビ局は、タレントを抱える吉本興行にアタマが上がらないようです。テレビ局の番組作りは、吉本のタレントあっての視聴率稼ぎです。その吉本が維新と仲がいいのです。タレントたちは維新の選挙応援に出たり、ふだんの番組でも維新に好意的です。


 つまり、維新・吉本・テレビ局の三者は、共栄関係にあるのです。コロナ禍の最中、ヨシムラは連日、役所よりもテレビ局に出勤したといわれてました。維新人気の背景は、テレビ頻回露出にあると思います。


 コトの良しあしよりも、テレビに出ずっぱりというのが、現代では一番の名を売る好機なんです。ああ、あの顔、あの人知ってるわ、という漠然とした感覚が、維新を支える大きな頼みの綱なんでしょう。関西の準キー局の電波が届きにくい地域では、これまで、ほとんど維新勢力がいないことが証拠でしょう。


 新聞各社もしかり、です。読者と維新支持者が重なると認識すれば、維新批判の記事に腰が引けるのです。思うに、維新という政党は、テレビが育てた、ちゃらんぽらん政党なんでしょう。


 勢いに乗る維新の党としての政策を見ると、憲法9条改正、自衛隊を明記、核武装を将来的に検討、敵基地攻撃能力は必要、緊急事態事項も大事、女性天皇反対、憲法審査裁判所設置など網羅的に書いてあります。自民党の戦前回帰派と変わりません。なぜ一緒にならないか。それは、スタートの時、自民大阪府連から分派を作って飛び出した経緯が、しこりなんでしょう。


 維新は、「身を切る改革」と言いますが、税金から政党交付金も例の調査研究広報滞在費ももらっています。マツイが知事のとき、「全国初、知事退職金ゼロ」と報道されましたが、実は退職金を分割して毎月の給料に上乗せしただけ。ボーナス額が給料額に反映するから、結果的に総額では退職金よりも350万円増えていた、というエピソードが知られています。これじゃー、ほんとは「他人の身を切る改革」です。


 マツイがよく話していましたように「維新は、是々非々主義でいく」というのは、相手の出方を見てから、賛否を決めるやり方です。ということは、実は、大きな理想や夢を国民生活の向上とからめて、独自に構想、計画するものはない、という政党です。


 やはり金看板だった「大阪都構想」が終わったとき、維新の会は終わっていたのです。いまさら維新の勢力を増やしても、疑似自民党ができるだけです。アメリカの使い走りに満足する自公政権と変わりません。戦争の準備よりも、戦争をしない方法に熱心で、清潔な政党を選ぶことが、いまいちばんの課題です。


  前々回、前回の参院選の維新。北方領土汚職で実刑食らって出てきて鈴木宗男、小池都知事の「都民ファースト」を飛び出した音喜多駿、業者から5000万円もらって都知事を放り出した猪瀬直樹、元ランナーの松野明美、「ウソ」の歌手、中条つよし、、、どうですか、失礼ながら、アタマ数を増やすために、かき集めたような顔ぶれじゃないですか。


 マツイの跡を受けて共同代表になったババは、市議時代、暴力団関係から献金をうけていた。国会議員になると、政党活動資金で毎月300万円超の飲み食いを銀座でしていると報道されたり、統一教会関連団体に顔出したりする政治屋です。


 ババは「敬愛する政治家」にトランプを上げています。自国第一主義、人種差別主義者、ウソ、デマ、騙しのトランプを敬愛するなんて、信じがたいミーハー、軽薄な人物としか思えない。ネット上でババカとか、バカバとからかわれています。こんな人物が率いる政党が大きくなって、何が期待できますか。ロクな国にならない。


 気をつけよう、夜道と維新と自公国!



「維新悪心その1」は、こちらあります。↓

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