退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

師走寸感

 年金暮らしにとって、師走は、いつものように時間が流れるだけです。


 勝手にやめたサークルなのに、先生はじめメンバーのみなさんが送別ランチ会を開いてくれました。ありがたいことです。コロナ禍までは、いつも沖縄料理店で忘年会をやってました。それが途絶えてから4年ぶりくらいの食事会でした。美味しいテールスープをしみじみ味わいました。いい仲間たちに、感謝、感謝でした。





  国会が閉会したあと、「増税メガネ」ことキシダメの記者会見。「さまざまな課題に火の玉となって党の先頭に立ってやり抜く」と空約束。面白いのは、火の玉という言葉が今頃飛び出したこと。これって、戦時中の戦意高揚のためのスローガンに使われました。「一億一心、火の玉に」といった具合。キシダメ自身が、不人気で火だるまになっているのに、言葉の使い方までおかしい。  だいたい「一丸となって,,」とか「全員総力をあげて、、」とか、リーダーがいうときは、すでに劣勢を認めているときの、悪あがきです。


                


 室温23度までエアコンで温め、あとはコタツに切り替えます。コタツで生活評論家,吉沢久子さん(4年前、101歳で死去)の『27歳 戦時下の日記、あの頃のこと』(清流出版社刊)を読んでいます。昭和19年1月の日記に下記のようなヤミ物価の値段を記してありました。先の戦争の敗戦の前年ですね。


 身の回りに何にもなくなり、ヤミ商品を買うのは非国民だと言われても、こっそり買わねば生きていけない。吉沢さんは、鉄道関連会社の事務員で、その会社に裏から出入りする闇屋さんに必要な品物をお願いする。この、値段表は闇屋さんが置いていったものだそうです。


アイデアルウィスキー    150円
白米(一升)        20円
牛肉(百匁)        20円   注 375グラム
卵(一ケ)          2円
砂糖(一貫目)       500円   注  3.75㌔グラム
一級酒(一升)       120円   注 1・8リットル


 
 一見して高いのか安いのか。今の人はちょっと迷います。吉沢さんは、一級酒の値段が、自分の月給と同じなのに、ぼう然としています。


 当時と今との値段の正確な換算は難しいと、国会図書館でも日本銀行でも正確な換算法はないというブログがありましたが、研究者によれば、単純な計算では、昭和19年当時の1円は、いまだと1195円くらいとの見方がありました。だとすれば、吉沢さんの月給は143、000円ですから一級酒14万円強、卵一ケは2390円になりますね。ミソ、醤油、砂糖は、途絶えがちな配給です。朝は塩味だけの、うすいおかゆをすすります。戦時下の劣悪な食事です。


 吉沢さんな、休みには隣組一同で爆弾が落ちたとき消火するためバケツリレー、敵兵が来たら一突きするため先の尖った竹やりで刺す訓練に駆り出される。冷凍ニシンが一軒に一尾割り当てられて、配給所に取りに行く。みんな、こんなことで勝てるわけないと思っているが、誰も口にしない。口にしたら、警察に連れていかれるからです。


 「軍人に任せておけ」と威張っていたのに、形勢が厳しくなると、「さあ、国民総動員だ」と責任を振ってくる。吉沢さんは、当時独身、さめた目で世相を映しています。二度と厭戦, 反戦、非戦を口にしたら、連行される世の中にしてはならないです。今の自公維国は「やむ得ないときは戦争もあり」の方で、ぼくが支持しない理由です。「やむえないも」
「正義の」も、戦争は断固やっちゃいけません。自公維国には、その覚悟がない。


 あの無意味でムダだった時代、吉沢さんの苦しい生活の記録を、ぼくはアイスクリームを食べながら、読んでいます。平和な暮らしとのギャップに驚きます。タレント、毒蝮三太夫さんは、いまの日本では、とりあえず、そこそこやっていける。この「そこそこが 国を滅ぼすんだ」と言っています。いまの日本人は、嘘つき政治家の不正や、戦争に備えた増税や戦争に前のめりの政府に抗議のデモさえ起こさない、他人事みたいになっていると怒っています。(14日付け毎日夕刊)そこそこ気分にかまけて、いまより良くしょうというのは、人任せという風潮に義憤を感じているのです。


  世界で米海兵隊と自衛隊しか使ってないオスプレイ。種子島沖で墜落してクルー全員が死んだのに、日本側は機材の回収に参加できず、墜落原因も教えてもらえない。これが日米軍事同盟の実体です。言うまでもなく、対等でないのです。


 日本人の多くは、仮に北朝鮮や中国との戦争がはじまるとしたら、米軍が応援してくれると、期待していますけれど、それはまったっくアテになりません。ウクライナ戦争をみてもアメリカは武器はじゃんじゃん送りますが、米兵は派遣しない。長引く戦争であれば、宿敵ロシアが疲弊する。それを待っているのです。


 日本の場合、すでには完全に米軍指揮下にあります。米軍は武器をどんどん支援してくれて自衛隊を戦わせます。その間、北や中国の戦略戦術戦力を高みの見物をするでしょう。日本はガザの市街地のように瓦礫の山になるにちがいありません。


 アメリカは自国の青年を遠い異国の戦地で死なすことをやめたいのです。若者が死ぬと、大統領選が持たない国なんです。その重い負担を日本に肩代わりさせたい腹づもりです。そうであれば、日本の政治家たちも、日本の青年を戦死させない策を講じなければなりませんが、逆に戦地に行かせたい動きばかり目立つ異様な国柄です。


 吉沢さんの敗戦後の8月17日の日記にあります。日本軍の飛行機から降ってきた伝単(デンタン=宣伝ビラのこと)が神田駅に貼ってあるのを見ます。敗戦に同意しない狂気の軍人の扇動ビラです。


 『軍ハ、陸海軍共ニ健全ナリ。国民ガ後二続クヲ信ズ 宮中尉』


 戦争に前のめりの指導者、政党それに軍人(自衛隊)に国家の命運を任せると、住むところがなく、食うものがなく、廃墟の中でも国民を徹底交戦の渦中に引きずりこみたいのです。こうした連中に二度と日本を託してはならないのです。他国民を大量殺人し、領地を分捕り、モノを奪い、服従させる、、そんな古代から変わらぬ戦争が、21世紀にも生きているのが不思議でならない。


 日本は、世界から信頼を得ている「戦争放棄の国家」を、ずっと守り抜く政府をつくらなければなりません。なにがなんでも。平和に徹する政府を、自らの手で作らなければ、一級酒120円どころの苦痛でありません。


 そこそこやっていける気分なら、せめて投票に行き、平和を心底願う政党や候補者を選んでほしいものです。汚いやり方でカネ儲け専門の政治屋、戦争に前向きな連中を一掃する総選挙にしたいものです。 不揃いのリンゴが腐っているかどうか、それをしっかり取捨選択でるのは、有権者の大切な権利です。無能なアへを長期政権につかせた結果、この国の、この師走は、情けない政治屋たちの腐臭をかがされて、うんざりしています。


        

                            


            (写真はすべてGOOGLE画像検索から引用しました)

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