退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

ザワークラウト

 寒気が一段と強まっても、晩酌には冷えたサッポロビールを飲みます。エアコンの効いた居間で飲む冬のビールはいいものです。


 時々、自家製のザワークラウトをつまむ。このしょっぱいキャベツの塩漬けがおいしい。居酒屋では見ることはないが、ビアホールにはつきもののメニューです。ソーセージなど肉料理の付け合わせになります。
  
 作り方は簡単です。キャベツを刻み、その重さのおよそ2%程度の塩をもみ込んで、空気に触れないように瓶詰や漬物壺に保存、最初の三、四日間は一日一回、開いてガス抜きをするだけ。四日目あたりからキャベツが持っている乳酸菌が発酵すると、食べられます。発酵したキャベツのうま味と混ざって、キムチのようでもあり、酢漬けキャベツのようでもあります。ビールのアテにいいのは、もとはビールの本場ドイツ産だからか、瓶詰めの輸入品も安く売られています。これをつまみ、ビールで流し、またつまみ、、、。


 ザワークラウトをつまみながら、東京地検特捜部による自民党のパー券裏金捜査不発の件を考えます。不発というのは、アへ派の五人衆や二階派の幹部連中が、おとがめなしとなり、小物だけが釣り上がった魔訶不思議な始末のことで、総じて不発であったと解しています。


 最初に、この問題は「会長案件」だというニュースが流れました。もちろん検察からのリークでしょう。ああ、検察は、もう拳を下す観測気球を用意していると思いました。アへ派の会長は元首相、安倍晋三、そのあと前衆院議長,細田博之。二人とも死者です。「死者案件」とは「死人に口なし」じゃないですか。そんなこと周知で捜査し始めたはずなのに、この先の見通しについて、このリーク。


「今、事務所の方、どのくらいカネがあるか」
「金があるか」
「どのくらい残金があるか」、、、こんな日常会話を事務所の幹部が、会計担当者と数年間にわたり、一度もしなかったということがありえるか、ありえないと思う。


「パー券の売り上げはいくらだった?」
「派閥のノルマはいくらだった?」
「上納したあと、例の還付金はいくらだった?」、、、こういう会話を幹部が、事務所の会計担当者と一切話さなかったということがありえるか。ありえないと思う。そう思うのが、世間の常識です。


 しかし、共謀共犯関係の証拠がなかったと幹部たちを検察は訴追しなかった。たしかに口頭での話を立証するのは難しい。しかし、それで腰が引けていては、子どもの”捜査ごっこ”じゃないですか。あのオギウダは事務所の引き出しに現金で2740万円残っていた、あのセコウは、全部秘書に任せていた、、、こんな言い分がなぜ通るのか。還付金の出入りを真剣に追えば、幹部と会計担当者に意思疎通がなかったというような結論になるはずがない。


 立件される小物の二人は、キックバックの額が多かった、その一人は証拠隠滅の恐れがあったから立件したという。二人はキックバック額が4000万円以上だからという。3000万円なら免責という検察判断は常識外れです。これではオギウダらを見逃すための線引きじゃないですか。大金の線引きを勝手に引いています。パン一個を万引きしても窃盗で逮捕されている実情があります。法の下で平等という基本を恣意的に運用するのはよくない。


 元明石市長の泉房穂さんも言っています。「共謀関係を立証するのは難しいからやめるのではなく、もっと捜査を進めるべきだ。国会が始まるから捜査を終えるのはおかしい。学校や会社が始まるからと事件捜査をやめたりしません」という趣旨のことを述べています。


 なぜ、訴追を見送ったか。政権からすごい風圧が吹いてきたから、尻込みしたか。あるいは、政権に忖度したか。国賓待遇で訪米する予定のキシダメの花道を用意したのか。次期検事総長と噂される上級の東京高検の女性検事長がビビったのか。今回の結論だけから見ると、東京地検特捜部は、おおかたの国民の立件による政界浄化への期待を裏切ったといえよう。


 今回の件は告発から始まっているので、こんごは検察の判断について、検察審査会が妥当かどうか審査する余地があります。すでにアへ派五人衆プラス二人が検察審査会で審査されることになっています。一般国民からなる審査員が、どのような良識ある判断をするか、期待したい。異議申し立てを決定すれば、検察は再捜査する義務があります。


 それまで待つか。それとも、検察は政治資金規正法での捜査よりも、脱税などの容疑で追及する構えを残しているのかどうか。政治資金の活動費は、原則、非課税です。この原則を覆すには、政治活動に使ったか、どうか。残金が過剰にあるかどうか、にかかっています。キシダメのような高級飲食店の支払いも政治活動とされれば、この脱税容疑も壁があります。


 そもそもの話ですが、三権分立の司法権といっても、日本の場合、裁判官や検事は法務省内の役人です。立身出世、昇進昇級のわが身を思えば、官僚化してしまいがちです。この結果、この国の司法権は、政権、権力者の不法不正に、どうもピリッとしない。


 こうなると、元大統領トランプを4回刑事起訴(ほかに民事提訴2回)しているアメリカの司法制度(法曹一元化=弁護士から裁判官、検事になる)が頼もしい。この一元化では、裁判官や検事は自ら地位、身分などを考慮して、権力者、上級者に忖度する必要がさらさらない。トランプが再度大統領になる可能性があるなかでも、将来を心配せずに臆せず起訴できる背景です。


 いまのところ、今回の捜査劇は、大山鳴動して、黒ネズミ二匹の巻ですね。それにしても、あのアへが没してから盛大に明るみに出た旧統一教会との癒着、どろどろの裏金問題、
まだまだ隠された内外政での不正,,,,,,アへがアメリカとトンデモナイ密約をかわしていたとか、、、が発覚しそう。アへの長期政権がいかに腐敗を生んでいたか。自公支持者は拳拳服膺(けんけんふくよう=肝に銘じて忘れないこと)してもらいたい。アへが存命なら、まだまだ続いていたわけで、まったくゾッとしますね。


 そんなことをつらつら考えていると、ザワークラウトの酸味が歯茎にしみてきますね。自民は、もはや自滅すべき時期を迎えているとみていいでしょう。


 有権者には、自民候補を裁く権利があります。総選挙で有効に行使しましょう。

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