退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

8020運動

  歯医者さんの壁に「8020運動」のポスターが,貼ってあります。


 「ハチマル二マル」と読んで、80才になっても、20本以上は正常な歯を保ちましょうというキャンペーンです。歯医者さんの全国組織と歯磨きメーカーさんが呼びかけています。


  三月に一度、歯医者通いしています。経過観察や歯垢取りなどを受けています。ぼくの歯は、今こんな状態です。


 インプラント3本   (右下奥)
 金冠1本        (右上奥)
 ブリッジ4本     (前歯上)
 ブリッジ2本     (左下中)


 合計10本が、自前の歯を失っています。通常、人間の歯は全部で28本(親知らずがある人は32本。ぼくは、それがない。)ですから、ぼくはもう「8020運動」失格者になります。


 歯科衛生士のお姉さんは、虫歯や歯周病は、万病の元だといいます。健常歯20本というのは、かろうじて正常な咀嚼に耐える歯の数で、それ以下になると咀嚼が思うようにいかず、胃にも負担を与えるし、嚥下障害の原因にもなる。なにより、歯の欠損が増えるような歯のみがき方では,体全体の健康にもよくないといいます。


 インプラントは十数年まえ、いまとは別の病院で勧められて、まさか全身麻酔でアゴの骨に金属ねじを埋め込むような大手術とは思わず施術されましたが、スキルの巧拙があって、あとで死亡事故が起こることもあると知りました。その後は、怖くなってインプラント治療は断っています。(自由診療で高額だし、なにより先がないのに、、という思いもあります)


 しかし、腕のいい先生だったのか、その不具合は一度もなく、当然、虫歯にもならず、ほとんど義歯であることを忘れる程なじんでいます。朝夕、清浄作業が欠かせないブリッジなんかよりも、ずっと快調です。
  
 衛生士のお姉さんは、普通の歯ブラシの使い方のほか歯と歯のあいだに巣食う歯垢を取り出すのには、Y字型のデンタルフロスが便利と教えてもらい、食後にはずっと愛用しています。この後、うがいをすれば、口中がすっきりします。


 面白いことに、ぼくの歯並みは右側の上下がいずれも減っているといいます。そういえば、食べ物を噛むのは、いつも右側です。靴の底の減り具合を想像しています。経年劣化というのすごいものです。お姉さんは、つとめて左右で噛むように教えてくれます。


 こういう風に診察台で衛生士さんの講釈をいつも聞いているのですが、口の中を熱心にのぞき込んで作業をしてくれます。前のめりになっていますので、肩のあたりにお姉さんの豊かな胸が、かぶさってきます。


 これは、思いがけない心温まる”肩たたき”ですね。集中して仕事に打ち込む、いいお姉さんだなあ。もうすこし歯医者通いをしなくっちゃと思っています。

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