退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

大阪市は残った

 ほんま、ありがたいこと、いろいろ心配かけましたが、おかげさんで、、、。


 大阪市を解体するかどうか。その是非を問う住民投票で、市民の良識が勝利しました。夜更けのテレビに流れた「反対多数」の速報にひとりガッツポーズしてました。


 このことの意味すること表向きのことは、
住民投票の提唱者、ハシモトという希代の詐話師の敗北、
マツイ、ヨシムラらの維新の会の衰退、
さらに「賛成ヨイショ・キャンペーン」に終始した関西のTV局と一部の大手印刷メディアの影響力の限界を示しました。


 ぼくは、いまでこそ郊外に住んでいますが、半世紀を大阪市内で育ち、職住ともに暮らしと一体でした。愛着ある市の存亡に多大の関心を持っていました。むろん、独自の歴史と文化がある大阪市が世界の、日本の地図から消えてなるものか、解体反対の立場でした。


 この”都構想”というしろもの。ハシモトが言い出し兵衛です。ぼくは、この人物が世間に登場した時から、ウサン臭い人物だと思い、嫌いです。大言壮語でもって一時は世直しの救世主、次期首相などともてはやされたのを、苦々しく見ていました。


 彼の言動のうち、二つばかり例をあげると、いかにヘンな人物かがよくわかります。その一端を少しでも知れば、信頼に値する人物ではないとだれしも思うはずです。


 彼は自著で「(政治家は)自分の権力欲,名誉欲を達成する手段として,いやいや国民のため,お国のために奉仕しなければいけないわけよ」,「政治家を志すっちゅうのは,権力欲,名誉欲の最高峰だよ」(『まっとう勝負』(小学館刊)と書いています。これだけでも、マトモではありません。


 また、大風呂敷をふきまくって、心ある医師から「自己顕示欲型精神病質者ならび
に演技性人格障害」と書かれます。(2011年11月号、月刊誌「新潮45」)


 怒った彼は名誉棄損と損害賠償で医師を訴えるものの、上告した最高裁で敗訴が確定しています。(2017年2月11日付)ハシモトをよく知る高校時代の教師は「平気でウソをつき、指摘すると、ごまかし、反省しない」などと裏付け発言をしています。最高裁お墨つきの
ヘンな男なんです。


 そもそも,まともな考えをを持つ人物ではない。強者にひざまずき、弱者を見下すのが得意の”スネ夫”が本性です。トランプ同様、テレビがひねり出したクソ野郎なんです。


 彼が提唱する{都構想}は、そのネーミングさえ、ウソなんです。市を解体し、四つの区に分割するプランにすぎません。仮りに勝っても「都」になりません。そんな法的裏付けがありません。制度をいじれば、経済成長を果たす、そんなうまい話しがあるわけがないのです。


 大阪の財源は大阪市7割、府3割です。知事だったハシモトは、豊かな大阪市の財源と権限を「むしり取る」(本人の弁)のが狙いでした。むしり取った財源を万博とカジノの当てたかったのです。


 なにより、「戸建て一軒」に暮らす4人家族の大阪市民が、大家(大阪府)が共通の四つのアパートに分散すれば、当然、家計費が増えますし、権限も矮小化します。住民サービスが低下するのに決まっています。


 「二重行政」打破を強調しましたが、病院、福祉施設、大学、図書館、水道など生活直結のものが複数ある方がいいのです。ハシモトたちが鬼の首を取ったように言う「二重行政」というのに、バブル期の巨大ビルを併設した例を上げていますが、あのころは、どこでも"行政商売"が輩出し、失敗に終っています。大阪府・市特有の問題ではありません。


 この住民投票、ここまでハシモト維新がこだわるのには、じつは大きな野望を秘めた”隠し絵”が浮んできます。一つは、アベ・スガらの自民党と日本会議がもくろむ「改憲の国民投票」になった際の”大規模社会実験”とらえていたことです。


 ハシモトは、それを承知で露払い役を引き受けたのでしょう。アベ・スガたちが、自民大阪府連よりも、維新に異様に寄り添ってきた理由ではないかと思います。


 維新は、住民投票で勝てば、そのノウハウと組織力を手土産に国政へ党勢拡大を図り、ゆくゆくは改憲に慎重な公明党に代わって、政権与党の補完勢力を確立、連立を組む可能性が開けます。
  
 そして、いわずもながらですが、ハシモト自身は、懇請される形で政界復帰、最大の名誉欲を満たす首相をめざすことでしょう。想像するだけでも、おぞましい話です。


 今回の維新の敗北は、政権与党も強烈なパンチを与えたはずです。とくに維新と親密だったスガは、猿芝居のシナリオが反古となり、維新を見切るとともに、自分の代での「改憲国民投票」なんか、到底ムリと悟ったことでしょう。


 二度目の住民投票にも勝てて、元の大阪市民としては、こんなうれしいことはありませんね。阪神タイガースが優勝するのと、おんなじくらいうれしいことでした。


 大阪は、維新のワルのせいで、えらい面倒な道草を食らいましたわ。
 ほんまに一銭にもならへんことで、かないまへん。
 ここらで法善寺さんにでもお参りして、なにわの失地回復、祈らなあきまへん。
 なあ、あんた!

×

非ログインユーザーとして返信する