退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

歯医者通い

 いやな歯医者通いとなりました。十数年まえに上の奥歯にかぶせた金冠がポロリと抜け落ちたのです。そこが、しみて痛い。


 歯医者さんは、「かぶせた歯にも虫歯が進んでいたし、歯茎も弱くなっていますから、いちからやり直しましょう」と言います。診察台に固定されて、右側に 歯医者さん、左側に歯科衛生士のお姉さん。そして、目隠しの布をかぶせられると、いきなり始まった恐怖のキュルキュル、キィーンキィーン。


 たちまち手に冷や汗、逃げ出せない恐怖感に覆いかぶされます。ぶざまに開けた口のなかで高速回転するエアータービンの轟音。あれが響くと、大きな刃がむき出しで回転するノコギリが身に迫ってくる場面を想像して、体がひきつるような怖さを感じます。”早く終わってくれ”と内心、悲鳴をあげています。


 お姉さんが「すぐですよ、もうすぐ終わりますよ」と励ましてくれますが、大口開けて、怖がっているのを見られるのは、気恥ずかしい場面です。なんで歯医者さんは、あのものすごい恐怖音を響かせるエアータービンをもっと静かな音にする工夫をしないのか、無音化できないのかと思いますね。


 BGMを流して、心地よい雰囲気づくりもいい。口内に小さなレントゲンを入れて、瞬時に患部を患者にも見せてくれる技術など進歩している面もありますが、あの恐怖音だけは、昔とかわりない。あれで歯医者さんは怖い、行くのがイヤという人が多いのだろう。


 それでも、仕方なく次の予約日を決めるのですが、そこで思いついたことが一つ。


 政府は、緊急事態宣言を発すると、なぜ「宣言解除日」を同時に発表するのか。こんどは5月31日までと決めた。腹痛や風邪なら、治療や静養を重ねて、発熱や痛みが治って、はじめて治療解除です。つまり、状態が回復するまで、治療終了日を先に言われることはありません。


 治るか、治らないか、治療してみての結果しだいです。コロナ禍の終息、ないし、下火になった状態で、はじめて「解除日」を決めるのが当然の措置でしょう。


 あらかじめ、政府が宣言解除日を決める意味はなんなのか。ちゃーんと解除する基準を公表し、そこに至るまでは、緊急事態をやめるべきではない。前回はバッハが来日する前に解禁予定だった。今回は、何をたくらんでの設定かな。


 コロナ禍始まって以来1年ちょっと、目先の現象に追いまくられて、ウサギの糞のように小出し小出しの対策では、治るものも治らない。同じ島国(地域)でも、台湾、ニュージーランドはピシャリ感染防止、イギリスも峠を超えています。


 この国の1万人を超えた死者たち、10万人を超えた感染者たちは、「命と暮らし」よりも「経済と五輪」にこだわるアベとスカタン政権の犠牲者です。にもかかわらず、両政権でも内閣官房参与を務める大学教授は「この程度はさざ波 笑笑」とツイッター。


 スカタン政権の官邸の空気がよくわかる戯言です。このツイッターの主、高橋洋一は温泉場で時計と財布を盗んだ疑いで検挙されたことがある輩。こんなのがコロナ政策に関わっているかと思うと、うんざり。


 歯痛は治りますが、スカタンではダメ、コロナ禍は収まりそうにない。

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