退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

スカタン投げ出し

 先週の金曜日(3日)、早い昼飯をして、スポーツジムへ行くつもりだったところへ、TVが「首相辞意」の速報!。


 ことし一番の明るいニュース、朗報に安堵しました。カンパイのビールを思いとどまるのに腐心しました。ジムに行けなくなるか。


 スカタンが官房長官をやっていたころから、「なんで、こんな悪相、傲慢無礼な男が政府の要職にいるのか」と思っていました。自ら首相を投げだすことを決めたのは、国民への最後で唯一の”善行”でしょう。


 思うに、アソウといい、アへといい、スカタンといい、国語も読めず、しゃべれず、一般社会では、とうてい通用しないと思われる非常識な人物たちが自称保守に目立ちます。一番友人にしたくない人物たちですが、なぜ政治の世界で幅を利かすのか。


 問題は代議制民主主義と議院内閣制の弱点部分に巣食うことだできるからだと考えます。代議制とは、いうまでもなく、一般国民(有権者)が、自らの意思で立候補者を選び、委任して、政治を進めるシステムです。


 実際の選挙では、よほどの志を持つ有為な人物よりも名誉欲、権力欲しさの心得違いが多いのが現状で、そこから選ぶ有権者も大変です。


 選ばれたものは、集約された民意を背負っていることになりますから、いまの政治制度ではオールマイティーのカードを持った強者になろうとすればなれます。


 三権分立制度(立法、行政、司法)のなかで、民意を反映して、その職に就けるのは、立法(議会/国会)だけです。行政と司法は、任意の希望者による職務にすぎません。議員は選挙の洗礼を受けていることが最大の強みです。


 国会議員ともなれば、国民の代表という建前になります。アへで言えば、山口四区で10万そこそこの票、スカタンでいえば、神奈川二区で12万余票の民意で当選しているにもかかわらず、国民の代表という建前をもらい、一億二千万人の国家のトップになれます。


 与党が協議してトップを決めることができますので、トップは与党内のタライ回しで可能になっています。この議院内閣制度は、立法で選ばれたものが編成する内閣と行政(官庁)が不即不離の関係になり、行政の長たる首相が、意のままに行政を人事権でもって操ることができます。


 アへはアベノミクス実現のために、お気に入りを日銀総裁にしました。辞任を認めると、失敗を認めることになりますので、いまだに実現しないでも座っています。歴代自民党さえ「違憲」だからと手をつけなかった「集団的自衛権の行使容認」、つまり自衛隊の海外派遣容認を、安保容認論者だが、法制局とは無縁のフランス大使を異例の内閣法制局長官に任命して、認めさせ、閣議決定で実現しました。(ちなみに、この人物はこの”特命”仕事の後、がん死しました。)


 それと並行して、当事者である自衛隊トップの統合幕僚長の定年を三度も延長しました。
これも大異例です。そして、数々の不法行為を将来にわたって見逃がすように法の守護神である検事総長にするべく、お抱えの検事長の異例の定年延長を図ろうと画策しました。


 モリカケサクラでお役人たちが虚偽答弁を繰り返えさしたうえ、善良な役人一人を自死させたうえ、モリ問題の関係役人をはすべて出世させました。みんな先のアへと支えたスカタンがやった不正な独裁政治です。


 スカタンは、アへの継承者を自認していました。世論の八割が反対か、中止という民意を無視して五輪を強行開催したのも、コロナ禍のもとでブレーキとアクセルを同時に踏むような愚策の連発だったのも、支持団体へのご機嫌取り(利権)が欠かせなかったからです。


 つまり、代議制民主主義と議院内閣制は、良識と品格のない私利私欲の政治家にかかれば、独裁政治(アへ一強の実態です)が可能になることを示しています。


 国会とは別に多くの地方自治体で見てきた議員と行政の関係は、ほとんど主従のような上意下達の関係になります。一方で、議員たちは首長とツーカーの施策追認機関みたいなものです。


 行政側の役人たちは、議員から「議会で問題にするよ」の一言を一番恐れています。問題にならない、いわれのない問題でも、議会で取り上げられると、役人は部内の評価で失点になる風潮がありますので、議員には戦々恐々になります。


 こうした状況で、誠実な議員も少なくありませんが、私利私欲,権力欲の強い議員や世襲議員は、一目置かれます。往々にして首長と手を結び、人事権にまでくちばしいれてきますので、役人たちは触らぬ神にたたりなし、といった案配、面従腹背になります。


 その弱みにつけこんで、選挙地盤への利益誘導を働きかけ、にらみを利かせ、恫喝することで、権力の階段を上っていきます。似ていると思うでしょう。ヤーさん(組織暴力団)の世界と。スカタンが例です。アソウやアへのような世襲議員は、いきなり階段の上に”降臨”しているのです。


 この代議制民主主義や議院内閣制では、有権者の思いは一票が投じられた時点で終わり、有権者の思いに反して、私利私欲に走っても、止めることができません。(国会議員にはリコール制度がない)


 愚かな議員は愚かな国民の反映だという見方もあります。世襲議員を地元の殿様のようにありがたがったり、地元への利益誘導だけが「デキる」政治家というような認識を改めて、
本気で国民のためになる人物、(そんな人物が少ないのですが)、せめて次善の人物を選んでほしいものです。山口四区や神奈川二区の有権者さん、想像してほしいものです。


 ぼくの若いときは、「経済一流、政治は三流」と言ってましたが、いまは「両方とも三流」になっています。アへ・スカ九年で、ニッポンは国際社会にあって衰退一路です。


 いま待たれる最大の朗報は、アへがサクラ事案で逮捕、起訴されることでしょう。そういう厳しいオキュウをすえないと、政界の浄化は難しい。東京地検特捜部は、法と正義を全うして、「クロカワ定年延長」に反対して法曹界の面目を支えた国民の意向に応えるべきです。

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