退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

マイ総裁選

 自民党の次の総裁選挙に4人が立候補。国民の信任を得ずに、タライ回しで、トップを決める内輪の選挙です。実情は、長期政権で権力構造を固めたアへによる”操り人形の濃淡”を競う選挙ですから、誰がなっても似たようなものです。


 ぼくは党員ではないので、投票権がありません。党員は110万人といいますので、全国の有権者1億1千万人からすれば、極小の選挙です。コップの中の嵐といわれるゆえんです。


 マスコミが朝から晩まで、誰がなるか、面白おかしく取り上げていますのは、結果として自民党への関心を高める効果になっています。このバカ騒ぎは「不人気スカタン」が招いた自民党の没落空気をうち消し、その後に続く総選挙へ関心度が引き継がれるでしょう.。自民党にとって、総選挙まえの非常に有利なイベントです。


 4人の誰がなっても、どんぐりの背比べなので、自民党が国民の暮らしに優しい政党になるとは思えません。とりわけ悪徳政治家が輩出する自民党にあって、首相自身が思想信条を同じくするとして国有地を約9億円”激安”にしたモリトモ問題、腹心の友人に400億円と法をまげて獣医学部を開設させたカケ問題の取り扱いは重要な争点とみています。


 いわゆるモリカケサクラ・クロカワダブルカワイ1億⑤000万円案件です。あのような不正は、やはりダメだと反省するか、あの程度は政治の世界のつきものとして肯定するか、その違いが候補者選びの視点です。


 アへは国会で追及されるとモリトモ関連で118回、カケ関連で139回も虚偽答弁を繰り返した。その後、野党は要求した国会開会を無視したままやり過ごし、投げ出し退陣、この国の立法、行政の民主主義システムをめちゃめちゃに破壊しました。


 17日の立会演説会や記者会見を見た限りでの見解です。仮にぼくに投票権があるとすれば、4人が元凶のアへ支配からの距離感、権力乱用、私物化したモリカケ問題について自浄する姿勢を見比べて、いまのところ、「河野」か「野田」にしぼりますね。


 河野はアへと同じ三代目の世襲議員。「反原発」、「女系天皇容認」など党内では数少ない柔らかい頭を持っとされていましたが、立候補にあたり条件付きとぶれました。モリトモ問については再調査の可能性にふれていましたが、相当アへの顔色をうかがったらしく、発言はダウンしています。


 彼は気に入らないと官僚を叱り飛ばす、外務大臣時代には、記者会見では横柄な態度ではぐらかしていましたし、外遊ばかりしていた目立ちたがりです。あえてこの人物にするのは、石破が支援に回ることにしたからです。


 石破は国防オタクではありますが、自民党内では唯一、正邪の区別がついて、アへに忖度しない人物です。彼が河野内閣の要職に座ればの話ですが、傲慢尊大の河野のブレーキ役を果たし、針路をただすのではないかと思うからです。かつて中曽根首相の女房役を務めた後藤田正晴みたいな存在が望まれます。なお、河野支援の小泉は「人気大、知能小」という人物でまったく信頼できませんが。


 高市は、”営業極右”です。来歴を見ても、もともと思想信条というほどのものはない。アへの戦前復古信条に同調するすることで、気に入られるポジションをえてました。アへの女性候補の本命は稲田朋美でしたが、彼女が「選択性夫婦別姓」派に鞍替えしてから、アへの寵愛から外れました。


 「村山談話」否定、改憲、国防軍の創設、靖国参拝、嫌韓反中、サナエノミクス、夫婦別姓反対(但し、本人は結婚生活13年間は夫の姓に入籍したあとも高市姓を使用。言行不一致が平気らしい)などとアへそっくり。「高市は女性ではない。安倍晋三が”女装”しているのだ」と言われるゆえんです。なかでもヒトラーの選挙戦略本を推薦した過去は、国際社会では完全にアウト、欧米では入国を拒否されるかも。高市がトップになれば、それは事実上、アへの三度目の政権になるのは確実です。むろん、モリカケ再調査は必要ない立場で最悪です。


 岸田は、二代目の世襲議員。「何をしたいのかわからぬまま銀行員から世襲で議員になったおとなしい人物」と信頼できる評論家が論評しています。「面白いエピソードがないのが、エピソード」と言われるほど、キャラが立たない。党内派閥のなかで由緒正しい保守本流にあって、温厚篤実な一面、優柔不断ともみられています。経済政策でアへらの新自由住主義から脱却を主張して点はいいのですが、女系天皇は忌避している。価値観が新旧分離されていないようです。


 これまで禅譲で総裁の椅子が転がり込んでくるのを待つような姿勢が頼りないとみられています。「分断から協調へ」と新著の副題にあるようにアへ批判を示唆しているものの、今回も明らかにアへの支持を取り付けるために、ぶれています。この人物がなっても、アへの操り人形政権となるでしょう。モリカケは再調査ありうると、一時言及しましたが、その後必要ないと変節しました。


 野田は二代目の世襲(先代の養女)議員。三十代で郵政相に抜擢された。党内にあっては、かなり良識派で小泉父の「郵政民営化」に反対して脱党、果敢なところがあります。確かに民営化は、問題だらけで、いまだに成功していない。アへには稲田、高市らより距離を置かれ冷遇された観があります。


 実際、アへ一派ような時代錯誤の信条から距離を置いています。選択的夫婦別姓には賛成、軍事外交などより、障碍児を抱えていることもあるせいか、高齢者、障碍者、少子化といった民生向上に力点を上げているのは、従来の自民党にない視点でいいことです。共感できます。「こども庁」の設置に積極的です。かねてから総裁選挙を目指していましたが、推薦人がようやく集まった今回、忖度しないで持ち前のズバズバものを言う姿勢は頼もしい。


  野田は自民党より、立憲民主党の方が似合いそうです。ただ一人、モリトモ再調査を明言しています。ただ、再婚相手が元暴力団員というのは、つまり、首相の夫になるわけで、なんとも奇怪な話です。野田と高市は、アへが放った”噛ませ犬”という話もあります。アへ、アソウらによる河野票を分散させる作戦というわけです。
  
 4人は誰がなっても、他の3人を次の政府与党内で要職につけようと談合しています。その裏で一票1千万円、2千万円で売り買いとか、生臭い話が後日、飛び出すような、権力争奪のせめぎ合いをしていることでしょう。


 総裁選をよそにマスミ論調から野党の存在感が薄れています。政権忖度が本業になってしまったテレビなどマスコミが正当に取り上げ合いから、そうなります。近年、本来の姿から自己破壊、堕落が著しいのは、自民党、マスコミ、検察庁ですかな。


 世間では、ょく「自民に変わる政党がない」、「野党では頼りない」などと野党批判を話します。それは、その通りの一面がありますが、戦後の民主主義を根底から壊してしまったアへ・スカタン政権の継続よりは、野党の方が現在ではマトモです。最悪よりはマシと考えれば、新しい政治が開かれる可能性があります。


 アへは「悪夢のような民主党時代」と酷評していましたが、そんなことはありません。たとえば、国民生活のリアルな指標であります女性の特殊出生率(一人の女性が生涯において生む子どもの数)でみると、アへ・スカタン政権で女性の出生率は1,36まで下落、2019年誕生の赤ちゃんは86万人でした。


 民主党時代の最終年である2012年は1.41 赤ちゃん100万人超です(厚労省調べ)。
高校無償化を実現したのは、民主党政権でした。子どもを生むか生まないか、若い世代にとって、それは将来に対する希望と不安の大きな目安です。


 若い人たちは、口先だけで少子化の危うさを主張する政府を信用していないのです。これほど具体的に明解に不信感を表明する数値はありません。日本は世界各国のなかで、なんと出生率は186位(世銀調べ)にまで下落しています。先が見えない国で子どもを産みたいモチベ―ションが生まれるわけがないのです。


 アへ・スカタン政権9年間で、豊かになったのは、株高円安施策のせいで、大企業と一部
株式保有者だけです。利益をみんなでわけようというより、貧富の格差が大きくなっても、大きい方から滴り落ちる利益があるとする政策を行っているからです。大きい方は、そんなやさしくはない。丸儲けです。


 胸に手をあてて考えてみても、年金生活者のぼくの暮らしは、なんにもよくなっていません。 皆さんはいかがですか。この9年間、暮らしの豊かさ、生活の幸福度が向上しましたか。総選挙は目前です。

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