退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

高齢者講習

 クルマの免許更新のため「高齢者講習」を受けて、修了証明書証をもらいました。


 75才以上の場合、更新をうけるために「認知機能検査」→「高齢者講習」→「警察ないし免許試験場」に出向く手順をこなさなければなりません。「認知機能検査」は好成績でパスと自画自賛し、昨年の10月29日公開のブログで書いています。


 要するに「記憶力・判断力に問題なし」の人は、2時間、「記憶力・判断力に少し問題あり」の人は3時間の「高齢者講習」を受けます。講習料が違います。「問題あり」の人は医師の診断署など提出して別途検討されるらしい。


 さて、講習ですが、①座学(30分)、②機能検査(30分)③実車運転(60分)の3教程でした。①というのは、近年の多発事故の傾向、身体能力や運転技術への自己評価などグラフを見たり、指導員との対話でおこなうもの。


 高齢者の事故で一番多いのは、出会い頭の衝突とのこと。身体能力では参加者のほとんどが、視力に関わる衰えを訴えていました。ぼくも、目がかすみますので、用心しなければなりません。


 運転技術の自己評価では、警察調べでは、自信満々なのが20代、30代以降じりじり下降しますが、逆に7.80代になると自己評価は上昇します。長く運転してきて自信がある、というわけでしょうが、過信になりがちという話。


 ②の機能検査というのは、視野動体視力夜間視力の検査。視野は若い人なら両眼左右で200度くらいあるそうだが、ぼくは右目80度、左目70度、合計150度とかなり狭い。左目が失明していますので70度あるのは、右目がカバーしたからにちがいない。この狭い視野のことは自覚しており、目だけでなく、左右は首を振って確認するようにしています。


 動体視力は、動いている人、モノを確認するもので、ぼくは5段階評価の最低1でした。打者なら振りおくれで三振の山でしょうね。夜間視力というのは、明るいところから暗いところ、たとえばトンネルや街灯の切れ間なんかを想定して、目がどれだけ早く平常を保てるかを調べますが、ぼくは68秒もかかりました。同世代なら、これで普通だそうで、若い人なら10秒で回復するといいます。


 実車運転は、教習所のコースをぐるぐるまわるだけで問題ありませんが、今年5月中旬から法令改正に伴い、たとえば、75才以上では、過去にスピード違反、右左折違反などの違反経験者は、教習所コースでの一時停止違反でも即不合格という、厳格なルールになると見込まれています。これは高齢者の「卒車」「卒免」を促す強烈なパンチになりそうです。


 クルマの楽チン運転を目指すメーカーは異業種も参入して「自動運転化」、「無人化運転」への開発競争が目覚ましい。一方で警察の事故防止対策は、運転者へ厳しい法令遵守へと進んでいます。見方によっては、これは「ねじれ現象」のようです。どの時点で両者は折り合いをつけるのかな。


 無人運転、自動運転なら10才の子でも「運転できる」理屈ですが、運転免許はどうなるのか。万が一、自動運転車が一時停止違反したら、違反者はクルマのオーナーか、乗っていた人か、メーカーなのか。また保険等に責任は誰が負うのか。ややこしい問題が生じるでしょう。


 ぼくの場合、18才で取得した免許も今回が最後の更新になるでしょう。次世代では「自動運行車運転」の「運転免許」というものが必要とされるのか。「陸空両用自動車」、「ドローン型空飛ぶ自動車」の登場も予想されますが、空路が設定されるのか、免許は、どうなるんかな。出会い頭の衝突の場合、二両(機)が墜落、大破、死傷者二人なんてことになるのかな。


 妄想車は、夜半の夢路を駆け巡ります。

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