退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

その他大勢感

という表題では、何ことかわからないでしょうが、初めての80代を経験していますと、要するに、世間のナマの流れから、呼ばれていない、外されているという感じをよく味わう。


 別にひがんでいわけではない。プロの選手なら、”戦力外”を通告された者や舞台人なら、いつまでも”わんさ”の俳優扱い、会社員なら”員数外”だとリストラされる連中が感じる気持ちと似通っているのではないか、とつねづね思います。


 たとえば、よくレンタルDVD屋さんからネットでアンケが舞い込む。どんな映画が好みですか、見たい映画をなんですか、といったもの。回答者には性別や年代を要求されます。年代のチェック欄には、10代、20代、30代、、、、、と60代、70代以上となるのです。あとがない。


 80代は「70才以上のうち」です。一人前の「員数」にはなっていない。愛飲する大手ビール会社からもアンケがよくくる。月に何回くらいビールを飲みますか、といった問いなんですが、これも年代は「20才~~59才」までが調査対象とあります。くそッ、送ってくるな。


 慇懃無礼な生保の「シニアの意識調査2019」の調査対象者も「50才~~79才」とあります。80以上は、生保人から見ればシニアでさえない!


 民間だけかというと、そうではありません。国のこうしたアンケ対象でも、だいたい80才以上は外されています。たとえば厚労省の「老後の生活設計と公的年金に関する」、文科省の「生涯学習に関する」、文化庁の「国語に関する」いずれの「世論調査」でも調査対象は、すべて「70才以上」は打ち切り。80代、90代、100代は十把一からげ。


 そこで、だが、無視される80代以上の人口は、どれくらいいるのか。国の調べでは、約1130万人。1億2千万人の国民総数の10%に達することになります。十人中の一人が、世間から生活意識や意見を問われることがない透明人間もしくはユウレイです。選挙権も納税の義務もあるユウレイです。


「だから、どうだ」というつもりはない。みんないずれトシをとるから、こうした戦力外といった悲哀を順送りで感じるだろうな、と思います。


 ぼくなんか、ときどき見知らぬ土地を歩く旅行者みたいな気分で悪くないなと思うことも、たまにはありますね。他国の風景や人情に接している観光旅行の良さというのは、その国の在りように、何んの義務も責任もない気楽さにあることがありますが、、、。


 マスク2枚くれてやる、という世間知らずのぼっちゃん政治家を見ていると、国民は80才以上なれば任意の希望する国の国籍に変更できるという改憲でも出来たらと夢想しますね。

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