退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

当選、買います

 国会議員の夫婦が買収で捕まった。


 夫婦で2千数百万円を100人近くに配った疑いがもたれています。各戸配達のチラシやポスター、自動電話による支持依頼などカネに物言わせた物量作戦を繰り広げたと伝えられています。


 いまもカネを配れば、票が買えて、当選できる。そういう金権選挙をやれば、勝てることを物語っています。名声に加えて投資も回収できる。有権者なんて、ちょろいものだという現実があれば、こうした選挙をするものが絶えないだろう。


 以前、住んでいた近所に某宗教団体の信者のおばさんがいて、選挙になると、必ずやってきて投票を依頼していた。あんなにわが事のように熱心になれるものか。懇願するような低姿勢。ノルマに追われる必死さがうかがえました。


 むろん、布教というより、選挙のたびのパシリみたいなもので、なんだか哀れな印象をうけたものです。信仰と政党支持者というのは、似たようなエネルギーの使い方するようだ。


 どんな選挙でも棄権しないようにしていますが、「カネを出すから、〇〇に投票してほしい」などと、囁かれたことは一度もありません。もし、候補の関係者が、そんな”うまい話”を言ってくれば、もらっておいて、その候補者には投じないでしょう。無記名投票ですから、露見しません。そんな意地の悪い性質です、ぼくは。


 40数年まえのむかし、巨額のカネを全国にばらまき、選挙違反の逮捕者だけでも150人近く、検挙者は1000人を超えるという大規模な選挙違反をやった立候補者が当選したことがあります。しかも参院選では当時、最年少の初当選でした。彼はぼくより二つ三つ若かった。


 「金権選挙」とさんざんな批判を浴びましたが、どこ吹く風で、その後,衆院選に鞍替えして二期当選、いまでは、どこやらの私立大の総長とか理事長をしています。 


 当時、カネをもらった連中から話を聞いたことがありますが、たいていは選挙ブローカーみたいな人たち。「あっちに20票、こっちで30票はまとめられる」というような売り文句で買収金を引き出しでは、競艇や競輪に走っていた。


 それでも、若干のはしたカネが、費消されるまえに配られているので、その集積が票に結びつくらしい。依頼どおりに投票する人の気が知れません。もらったら、義理堅く投票する点、不思議でなりません。


 くだんの金権選挙候補者は、後年、「飲ませ、食わせれば、票になる」と有権者をバカ扱いした言辞を残してています。自民の選対関係者は、この有権者はバカだという認識から選挙運動を始めているのに違いない。


 バカ夫婦の場合、同じ選挙区に当選五回のベテランと新人の2候補を擁立、表向きは「2議席独占」といいながら、アベが寵愛する新人に1億5000万円、アベに批判的な反主流のベテランに1500万円と大きな差をつけた運動資金を支援すると、思惑どおり新人が当選、ベテランが落選した。まさに絵にかいたような結果ではあーりませんか。


 バカたちにカネをつぎ込めば、つぎ込むほど、勝てる。そう思われている有権者は、早く目覚めるべきです。腹の底から侮られていることも知らず、汚いカネに手を汚す有権者がいっぱいいる。。


 バカ夫婦をひねり出すような素地は、いつまでたってもなくなりません。バカ夫婦をなじるのは、たやすいことですが、有権者の方の自覚も百年河清を待つようなものです。

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