退屈な80代

還暦、古希、傘寿を過ぎて 日々思うことを綴ります。

例の10万円

 申請してから一カ月かかって、やっと給付金10万円が振り込まれた。車なら10分もかからない役所から。遠かったのか、重たかったのか。たぶん、事務が煩雑だったのだろう。


 家人との二人暮らしだから、合計20万円。もう年金生活者とあって、別途の雑所得を得られる暮らしではないので、個人的には棚からボタ餅みたいと、素直に喜んでいます。


 同じ二人暮らしの友人は、4,5、6月分で割れば、一人あたり3万円超になる。これでは3カ月、生きられないといいます。次はもっと増額して7,8.9月分を出すべきだとも。なるほど、そういう考えもありか。


 家人と使い道を相談しましたが、先月、固定資産税やら自動車税やら地方税で費消しているので、その納税分が回り回って役所からUターンしてきたようなものだ。それなら、固定資産税や自動車税を免除してもらった方がよかったな、、。


 幸いなことに、今の暮らしのなかで、特別ほしい商品も思い浮かばない。昨今は高齢者がぜひ手に入れたいというような気の利いた商品はない。エアコンや掃除機や冷蔵庫や家電商品は、すべて”今生の最後の”と思って買い換えてあります。


 もっと高額であれば、コロナ禍が終われば、温泉に湯治にでも行けるのだが、、、。 結局、使い道が差し当たってない。ということで、手付かずのまま銀行口座で眠っています。


 なんせ、預貯金の普通口座では金利が0、001%。100万円を預金しても、年間利息が10円にしかならない。その限りでは20万円なんて、お話にならない。預貯金はいまやロッカー代わりに置いておくだけ。


 世間さまでのコロナ禍窮状については承知しています。仕事を失った人、三食に困窮している家庭、税の滞納、こどもの教育費の足しなどなどと心待ちしている人たちが大勢います。そんな人たちにとって10万円は物足りない額です。とうてい消費を喚起させるエネルギーにはならない。


 今回の低額の一律給付というのは、生活支援と消費喚起が目的なんだろうが、平等のようで、公正ではない。人々の暮らしの現状に差がある前提で一律なのだから、苦しい人にはスズメの涙、そうでなく余裕のある人には、給付目的が果たせない。


 生活保護世帯、母子(父子)家庭、各種の心身障碍者、雇用保険金取得中の失業者、独居老人らは行政で把握可能なのだから、社会的弱者に対して多額給付金が行き届くように段差のある措置を考えたら、よかった。


 ドイツでは申請即給付。申請して二日目に振り込まれtという驚異的なスピード処理が伝えられています。あとで不正がわかれば全額返却するという決まり。とりあえずは、人を信じる性善説に基づいてやってると聞きます。


 先進国の一員といいながら、こうした社会制度やその運用など新たな課題について、この国は、今もって欧米先進国の流儀に学ばなけれならないのは、国民の不幸です。


 そしてまた、金持ちや金持ち企業に手厚く、弱者を顧みなければ、少し長い目でみれば、金持ちも、金持ち企業も困ることになることになるのが経済活動です。トリクルダウンなんてのは、ファンタジーです。


 この国は弱者のカサ上げを本気で取り組んだ施策があったことがありませんね。心ない政権です。長く生きてきて、つくづく、そう思います。ポストコロナ禍の社会は、どんな風が吹くだろうか。

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